2003年12月23日(火)「しんぶん赤旗」
政府の総合規制改革会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は二十二日、「規制改革」の第三次答申(最終答申)をまとめ小泉首相に提出しました。新たに労災保険・雇用保険事業と、道路、河川など公共施設、サービスの「民間開放の促進」などを要求。財界・大企業向けにもうけ口の拡大策を盛り込みました。
同会議は、委員十五人中十人が、宮内議長をはじめ財界・経済人で占めています。答申は、医療・福祉・教育・農業などを「官製市場」として、この「改革」を改めて要求。病院、特別養護老人ホーム、学校への株式会社参入など、追加分五項目を合わせ十七項目の重点検討事項の具体化を盛り込みました。
焦点になっていた医薬品のコンビニ販売については、厚生労働省が決めた約三百五十項目の医薬品の販売を二〇〇四年の早期に実施することを要求。さらに拡大することを求めています。
また、新たに労災保険の「民間開放の促進」を盛り込みました。現在、国が強制徴収の権限をもっている労災保険を、営利優先の民間保険会社にゆだねることは、民間会社のあらたなもうけ口を拡大する一方で、労働者への補償が不安定化しかねない問題があります。このため、改革会議の一部委員も反対しました。
同改革会議の任期は来年三月末まで。答申では、「一層の規制改革の推進を図る後継組織」に業務を移すとしています。