2003年12月23日(火)「しんぶん赤旗」
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一九八七年四月の国鉄の分割・民営化に伴い、JRを不採用になった国労(国鉄労働組合)、全動労(現・建交労鉄道本部)両組合員の採用差別事件で、最高裁第一小法廷(深沢武久裁判長)は二十二日、当事者間で意見をたたかわせる場となる口頭弁論を開かないまま、「JRは不当労働行為責任を負わない」とした高裁判決を支持する不当判決を出しました。
判決は、五人の裁判官が三対二の多数決で決定したもので、「採用手続きで国鉄に不当労働行為があったときは、JRが『使用者』として不当労働行為責任を負うことは免れない」などの反対意見が併記される異例の事態になりました。
判決が出された直後、国労闘争団と全動労争議団は、裁判所前をびっしり埋めた全労連や国鉄闘争を支援する労働者らとともに合同で報告集会を開催。「不当判決は断じて許せない」「政府・JRは『公正な解決』を求めたILO(国際労働機関)勧告に従え」と怒りの唱和を響かせました。
全動労争議団の棚池正則団長は「法廷で判決を聞いて、体がふるえた。『公正な判決』と駆けずり回って署名を集めた家族を思うと無念でいっぱい。十七年も職場から追われ、だれも責任を負わないという不当判決に負けず、千四十七人の解雇撤回へたたかいの旗を掲げ続ける」と話します。