2003年12月21日(日)「しんぶん赤旗」
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さきの総選挙では、自民党の近藤浩衆院議員(辞職)、民主党の浅野真候補がそれぞれ買収容疑で逮捕されるなど、悪質な公職選挙法違反事件が相次いで摘発されています。買収・供応、投票偽造、投票干渉という容疑で逮捕者を出した陣営は自民十九、民主七、保守新党(当時)一の各候補、公明党と広がっています。(別表)
候補者自身が逮捕されたのは、近藤、浅野両容疑者。元保守新党代表の熊谷弘元官房長官と、民主党の都築譲氏が参考人聴取されました。熊谷元代表の場合、解散するまで公設第一秘書だった側近が対立候補を中傷する違法ビラを配る報酬として現金百万円を渡した疑いで逮捕されています。
都築氏は、陣営の出納責任者を務めた公設第一秘書と、選対事務局長を務めた豊橋市議ら五人が起訴されました。電話作戦にバイト料を支払う約束をしたという「日当買収」の疑い。バイト料の総額は百万円超にのぼっています。
公選法では、秘書や親族らに禁固以上の有罪が確定すると連座制が適用され、当選無効となり、同一選挙区で五年間立候補が禁止されます。熊谷、都築両氏らには連座制適用の可能性が出てきています。
総裁派閥の自民党森派に所属し、選挙戦でも小泉首相の応援を受けた近藤容疑者は、買収資金の原資について、「党からの陣中見舞い」(「東京」七日付)と説明しています。党からのカネには、政党助成金も含まれます。
国民の税金である政党助成金を「票をカネで買う」という犯罪行為に使ったのかどうか真相を究明する必要があります。これらの候補者を公認、推薦した政党の責任も問われます。
公明党の岡山市の運動員は、市内の投票所に女性を連れていき、公明党と書くよう投票干渉して逮捕されました。
川崎市では三人の公明党支援者が、重度の知的障害を持つ女性を不在者投票所に連れて行き、小選挙区の自民党候補と公明党の名前が見えるように折り曲げた選挙公報を持たせ、両者に投票する意思があるように演出したうえ、選管職員に代理投票させ、投票を偽造した疑いで逮捕されています。