2003年12月20日(土)「しんぶん赤旗」
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国会でも、地元でも、いつでも胸に憲法九条の条文が書き込まれた「憲法バッジ」が光ります。一九九〇年から着けています。
十五日午前、毎週月曜日の名古屋市・金山総合駅前での早朝街頭宣伝に続いて、岡崎市内で街頭演説。「イラク派兵をするのは、県内にある自衛隊小牧基地のC130H輸送機です。絶対飛び立たせてはなりません」。訴えにも力がこもります。
「助けてください。主人は毎日十五時間もの労働をしており体を悪くし、死にたいとまで言っています…」。家族からの悲痛な訴えもたびたび国会で取り上げ、長時間労働、サービス残業(ただ働き)をやめさせるため、職場の党支部と力を合わせ、執念を持って取り組んできました。
この活動が生き、大企業にサービス残業の未払い賃金を支払わせたというニュースが続きます。厚労省も、サービス残業是正を求める通達を相次いで出すようになりました。十月には、「三六協定」で決める時間外労働の特例的延長は、あくまで「臨時的なものに限るとする」と、一段と長時間残業を規制する通達を出すところまできました。
トヨタ系大企業のデンソー本社=刈谷市=で働く金田堅三さん(55)はいいます。「いま職場では十月の通達による動きが見えています。一月からは職場の出退勤の時間管理も厳密なシステムになります。八田さんが粘り強く追及してきた、その功績は大きい」
住民と力を合わせた活動の成果はほかにも。藤前干潟(名古屋市)を埋め立てから守り、ラムサール条約に登録。海上(かいしょ)の森(瀬戸市)をつぶす新住宅市街地開発事業を中止させ、同所の愛知万博会場計画を縮小させる。中部国際空港建設のための幡豆町の山林からの土砂採取計画を中止させる。DV(配偶者や恋人からの暴力)防止法も成立させました。
二十九歳で岡崎市初の女性市議に。義父母の介護と看病、三人の子育てもという大車輪の日々の中で、教育、福祉の充実に力いっぱい取り組みました。トヨタが君臨する愛知。衆院選への挑戦や県議活動のなかで、サービス残業問題など、働く人たちの暮らしと健康を守る活動がライフワークになりました。
小柄な体に、笑顔が絶えません。「どんなときでも、なにか楽しいことがあるの。花は美しい。青空を見ると幸せという具合にね」
記事と写真 愛知県・板橋幸男記者
【おもな経歴】1946年、名古屋市生まれ。県立瑞陵高校卒。三井信託銀行名古屋支店勤務。75年岡崎市議(3期)。83年、86年衆院旧愛知4区に立候補。87年県議(1期)。98年参院愛知選挙区初当選。家族は夫と二男一女。