2003年12月20日(土)「しんぶん赤旗」
「征伐隊」「建国義勇軍」を名乗って、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を銃撃するなどした一連の事件で、警視庁などの合同捜査本部は十九日、三件の銃撃に関与した銃刀法違反などの疑いで岐阜市の「刀剣友の会」会長村上一郎容疑者(54)ら六人を逮捕しました。会の最高顧問には西村真悟民主党衆院議員が就任、村上容疑者から献金や選挙支援を受けていました。
ほかに逮捕されたのは会社員の服部達哉(40)、古物商経営の野々山文雄(52)、会社員の速水春彦(46)ら五人の容疑者。いずれも「刀剣友の会」理事などをつとめています。調べによると、村上容疑者らは五月二十九日夜、東京都杉並区のオウム東京道場に拳銃を発射。六月十三日夜には、大阪市西成区の同大阪道場、同二十七日夜には、広島市の広島県教職員組合事務所を銃撃した疑い。
昨年十一月以降発生した二十三件の事件では、朝鮮総連関連施設や外務省幹部宅などに発火をねらった不審物が置かれ、社民党本部や国会議員事務所などに銃弾が送り付けられました。いずれも「建国義勇軍国賊征伐隊」や「朝鮮征伐隊」などを名乗る犯行声明があり、捜査本部は村上容疑者らが逮捕容疑の三件以外の事件にも関与した疑いがあるとみています。
捜査本部は、十四都府県の約九十カ所を家宅捜索、速水容疑者の乗用車から自動式拳銃一丁を押収しました。
会最高顧問の西村議員は会の月刊誌に登場し、先の総選挙で村上容疑者らの支援を受けたことに感謝を表明。同議員事務所は村上容疑者関連企業名で二百十万円を受けたことも認めています。
西村議員は同日、「社会を騒がせた人と個人的つきあいがあったという意味においては、政治家として道義的な責任を感じる」などとする声明を発表しました。