2003年12月16日(火)「しんぶん赤旗」
衆院イラク特別委員会は十五日、小泉純一郎首相が出席して、自衛隊イラク派兵の「基本計画」について質疑を行いました。日本共産党の穀田恵二議員は、派兵される自衛隊がおこなう「安全確保支援活動」が、掃討作戦などの軍事作戦を行う米英占領軍を支援することにほかならないと追及。戦争支援のための自衛隊派兵中止を求めました。
穀田氏は、「基本計画」で派兵される航空自衛隊の輸送機が「米軍の物資や兵員を運ぶのか」と質問。小泉首相は「物資の協力ができればやる。米兵を輸送しないということにはならない」とのべました。
「問題は米軍が現地でどのような活動をやっているかだ」と指摘した穀田氏は、占領米軍が抵抗勢力の掃討作戦を展開し、誘導爆弾による爆撃で標的の周辺住民らを巻き込むなど、罪のない民間人に多くの犠牲者を生み出していることを、具体例をあげて示しました。
小泉首相は、「自衛隊は戦闘行為には参加しない」などと筋違いの答弁を繰り返し、穀田氏の重ねての追及にようやく「安全確保の後方支援活動は物資の支援もありえる」と認めました。
「国連も米軍に撤退しろなどといっていない。撤退したら悲惨な状況になるのはイラク国民だ」と繰り返す小泉首相に対し、穀田氏は、国連のアナン事務総長が安保理への報告書のなかで「外国によるイラク占領が短期でなければならない」とのべていることを示し、「米英占領軍の不当なやり方がテロの温床を招いているということは、世界共通の認識だ」と批判しました。
さらに穀田氏は、マイヤーズ米統合参謀本部議長が自衛隊のイラク派兵決定について「日本も連合軍に参加した」とのべていることもあげ、「『人道復興支援活動』といっても、軍隊が行う限り、占領軍と一体になり、自衛隊派兵そのものがイラクの人々の反感を呼ぶのではないか」と追及。「自衛隊派兵と人道復興支援は両立しない」と強調しました。
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