2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
完全失業率が10%近くになるなど若年層の深刻な雇用が大きな問題になっています。大学や高校を卒業しても就職先のない人たちが増えています。正社員になりたくてもなれないフリーターもたくさんいます。
ところが、小泉首相が議長を務める経済財政諮問会議で次のようなやりとりが交わされていたことが、同会議(十一月二十六日)の議事要旨でわかりました。
小泉議長「これからどんどん高齢者が増えて、退職者も増える。そうすると、若者が少ないのだから、雇用は足りなくなるはず。それなのになぜ失業率が高いのか。やる気がないのか、能力がないのか、両方あるかもしれないけれども…」
坂口臨時議員(厚生労働相)「今の若者の仕事については、何でもいいと言えば必ずある」
小泉議長「求人側はあるけれども求職がないということは、そこに行かないんだろう」
坂口臨時議員「行かない」
奥田議員(トヨタ自動車会長=日本経団連会長)「特に3Kのところには行かない」
牛尾議員(ウシオ電機会長)「リスクのある職場にも来ない。安全なところにみんな来る。安全できれいなところ」
これで、「自立して生活したい」「正規労働につきたい」といった若者の思いに応えることができるでしょうか。(浦)