2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の佐々木憲昭議員は四日の衆院財務金融委員会で、破たん処理で一時国有化された足利銀行問題で質問しました。佐々木氏は「銀行側の主張を退け、金融庁が厳しい査定を押し付けた」ことが原因だと追及。一九九九年と二〇〇二年に善意の増資を引き受け、無価値となった株を保有する法人・個人の合計が一万五千百二十六件にのぼる資料も示して、被害補償対策を政府に強く求めました。
金融庁の査定に関しては、関係者の話をもとに、前回まで採用されていなかった資産の価値を小さく評価する「収益還元法」を金融庁が強引に押し付けた経緯があると指摘。金融庁の佐藤隆文検査局長は「物件の性格に応じて違う」と述べるだけで、事実を否定できませんでした。
また竹中平蔵経済財政・金融相は「当事者間(銀行と監査法人)の問題だ」との発言を繰り返し、責任を回避しました。
佐々木氏はさらに、「増資をした分がすべて紙くずとなり、地元では大変な事態になっている」と地元の悲痛な声を紹介。足利銀から提供された資料をもとに、増資に応じた個人が企業数の四倍にものぼることを示し、政府の対応をただしました。これに対し竹中大臣側は「融資なども含め対応したい」と答弁するにとどまりました。
委員会審議では、栃木県選出の自民党議員からも「大手銀並みに査定するように方針が変わったのではないか」との疑念が表明され、「同じ手法が地方銀行にとられていくのか」といった質問が相次ぎました。