日本共産党

2003年11月28日(金)「しんぶん赤旗」

高校生 就職内定依然5割

増える派遣、不安定雇用

日高教、全国私教連が調査


グラフ

 来年三月に高校・障害児学校を卒業予定の生徒の就職内定率は十月末現在53・4%であることが二十七日、明らかになりました。日本高等学校教職員組合(日高教)、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が「高校生の就職内定実態調査のまとめ」で発表したもの。前年同期(51・9%)に比べ、1・5ポイント上回っているものの、就職希望者の二人に一人しか内定者がいない、という厳しい状況に変わりありません。

 内定率はここ三年間、50%台前半で定着しています(グラフ参照)。今回、昨年同期をやや上回ったことについて日高教の林萬太郎副委員長は「きびしい現実を前にして、最初から就職をあきらめてしまい、希望を出さない生徒が増えている結果」と説明します。

 寄せられた声をみると派遣・請負・契約社員・有期雇用などの不安定雇用の求人が急増、「大手メーカーの工場についてはほとんどが、アウトソーシング(外注子会社)任せ」という状況が広がっています。フリーター志望(進学・就職以外)は3・1%ですが、「一次に落ちると次に受ける企業がない」といわれるなか、就職をあきらめてフリーターになる生徒が増えていくことが懸念されています。

 また、応募書類発送直前や採用試験直前に求人を取り消されているのも特徴です。「多数の応募者があっても、一人も採用しない企業が増えている」「学校から問い合わせるまで、合否の連絡をしない企業があった」などの報告が多数寄せられています。内定率は北陸・中部・東海の75・3%にたいして北海道・東北は34・4%と大きな格差があります。

 調査は日高教と全国私教連が各県組織を通じて毎年十月末に行っているもの。二十九都道府県の四百九十四校から回答が寄せられました。


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