日本共産党

2003年11月28日(金)「しんぶん赤旗」

先物取引

「赤旗」報道に反響

被害どう防ぐ

320万円で戻ったのは6万円
断ったら脅された


 二十六日付本紙の「こちら社会部 急増商品先物取引被害」の記事に「同じ手口で被害にあった」「どこにも相談できなくて困っていた」など電話やファクスで反響が寄せられています。被害者支援の弁護士は強引な勧誘への注意や法改正による業者規制を求めています。

 神奈川県小田原市の女性は大豆先物に三百二十万円を投入し、戻ってきた額はわずか六万円でした。I社の男性社員は、電話で「高校の同窓会の紹介」と話し、家を訪ねてきました。契約を断ると二人の男は玄関に土下座して懇願しました。

 女性は「『銀行に預けるよりいい』と何度もいわれて…。素人に分かるようなリスクについての説明はなかった。『勧誘にはまった自分が悪い』と無理に自分を納得させています」と話します。

 商品取引所法第一三六条の一八は「不当な勧誘等の禁止」をうたい、利益が「確実」と誤解させるような「断定的判断を提供」して勧誘することを禁じています。

 年金生活の男性は、自宅にパンフレットが送られ、電話で断ったのに勧誘され続け、「おれは食いついたら離さない」と脅迫されました。「やらない」ときっぱり断った顧客にしつこく勧誘を続けることも、同法施行規則で禁止されています。

 東京の無職の男性(61)は、コーヒー先物に退職金や個人年金の解約金などを使いました。営業担当者が無断で売買を繰り返し、預けた委託証拠金がほとんど底を尽きました。同法は顧客の指示を受けない「一任売買」を禁止しています。

 業者は、商品先物取引の仕組みやリスクについて、事前にガイドブックなどを交付し説明する義務があります。しかし、国民生活センターは契約後に業者がおこなうアンケートに注意を呼びかけています。「取引の仕組みが理解できた」などの項目に意図的に「○」をつけさせ、のちにトラブルが起きても「説明義務をはたした」と主張する例が多いからです。

 先物取引被害全国研究会事務局の山崎省吾弁護士は「被害110番に寄せられる被害の平均額は二千万円。仕組みが理解できない取引には一切手を出してはいけない。一般顧客の被害をくいとめるために業者の規制を強化する抜本的な法改正が必要です」と警告しています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp