日本共産党

2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」

都民のための大学 問う

都立四大学 教員懇談会がシンポ


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熱のこもった議論が交わされたシンポジウム「都立大学はどこへ向かうのか」=25日、東京・八王子の都立大学

 東京都の石原慎太郎知事が、現在の四つの都立の大学(東京都立大学、都立短期大学、科学技術大学、保健科学大学)を廃止して新大学を設立するとしている問題で、都立四大学教員懇談会は二十五日、シンポジウム「都立の大学はどこへ向かうのか」を八王子市の都立大学内で開きました。

 シンポジウムは、都の新大学「改革」構想が、大学の研究・教育に与える影響や、社会が大学に求めるものにこたえるものなのかを検討しようと開かれたもの。

 五人のパネリストが、「なんのための競争かの論議がないまま、恣意(しい)的な再編が進められている」(寺崎昌男日本教育学会会長)、「廃止して新大学を作るという都のケースは他と比べて特異」(天野郁夫国立学校財務センター教授)、「人材育成が大学改革のトレンドだが振り子がふれすぎている」(河合塾教育情報部の山本真司氏)、「学生、教職員が自らの大学のあり方を考え、発展させる構想を示す必要がある」(南雲智都立大人文学部教授)、「大学側も入って作った改革大綱と都の新大学構想との比較検証が必要」(渡辺恒雄都立大工学研究科教授)などと発言しました。

 参加者からも、「都民のための大学とは何かが問われている」「都の開く説明会の会場設定や日程をみると、大学関係者にはこないでほしいといっているようだ」「大学構成員の学生の参加を大学執行部は考えるべきだ」など、活発な発言が相次ぎました。


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