2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は二十六日、二〇〇四年度予算編成に関する建議(意見書)をまとめ、谷垣禎一財務相に提出しました。建議では、介護保険制度の具体的な見直しに初めて言及。利用者の自己負担率(現行一割)を「二〜三割に引き上げ」ることが必要と明言しました。
現行一割の利用料負担でも、高すぎる利用料のため、介護が必要と認定された人の五人に一人以上、約七十万人がサービスを利用していないことが指摘されています。三割に引き上げられた場合、例えば現在、一時間以上一時間半未満ごとのホームヘルパー利用料(身体介護)五百八十四円が、三倍の千七百五十二円になります。さらに利用抑制に拍車がかかることが予想されます。
建議は、社会保障関係予算について「社会保障の自然増を放置することは許され」ないなどとして「削減」を強く打ち出しました。年金「改革」については、年金給付の早期抑制や物価スライドの完全実施を求めています。
財政審の西室泰三財政制度分科会長(東芝会長、日本経団連副会長)は記者会見で、「弱者に配慮するあまり、過剰に処遇されている部分は英断で切り込む必要がある」とのべました。
そのほか建議は、地方交付税の財源保障機能の将来的廃止や、義務教育費国庫負担制度について、負担金の交付金化実現などを盛り込んでいます。