日本共産党

2003年11月24日(月)「しんぶん赤旗」

NHK日曜討論

佐々木政策委員長代理の発言

<詳報>


 日本共産党の佐々木憲昭政策委員長代理が出演したNHK「日曜討論」は、佐々木氏のほかに、自民・額賀福志郎、民主・枝野幸男、公明・北側一雄の各政調会長と社民・阿部知子政審副会長が出席しました。


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「日曜討論」に出演する佐々木憲昭政策委員長代理(中央)=23日、NHKテレビから

 特別国会での審議のあり方について、佐々木氏は「(総選挙後はじめての国会なので)小泉首相が所信をのべ、それに対して与野党が質問する場が設定されるのが当然だ」と指摘。イラク、年金、景気問題などが山積しているのに、所信も表明されないという状況では「(政府・与党は)論戦を逃げているといわざるをえない」と批判しました。

イラク問題

小泉路線の破たん

 イラクへの自衛隊派兵問題で、北側氏は「復興・人道支援に日本が積極的な役割を果たさなければならない」としながら、「自衛隊の派遣時期は慎重に判断しないといけない」とのべました。

 佐々木 (自衛隊派兵は)絶対にやるべきではないと思います。ラムズフェルド米国防長官自身も、イラクの現状は戦争状態だと言っているわけですし、イラク特措法でいう“「戦闘地域」に行かない”という建前がもう完全に崩れています。

 根本的にはイラク戦争自体が無法な戦争であり、また不法な占領状態を続けている。日本がそれに対して自衛隊を派兵するという法律までつくる。この全体の流れを、小泉首相が支持・推進してきた。それ自体がもう破たん状態になっていると思います。

 額賀氏は「地上の自衛隊によって大規模に人道的な復興支援をしていこうとするときに、テロ集団が無差別に狙い撃ちをしてくるなかで、自衛隊を派遣するのはよくよくみきわめなければいけない」とのべながら、「空からの人道的な物資の支援ができないのか、海によって港から物資を運ぶことができないのか、あらゆることを考えていくことも大切だ」とのべました。

 佐々木 アメリカの軍事的な占領が一般民衆の反感を非常に激しくし、それがテロリストの活動の温床になっている。その点を解決するには軍事占領そのものをやめて、国連の枠組みにかえ(権限をイラクに移譲し)ないと、根本的には解決しない。

 (自衛隊派兵は)人道支援だと北側さんはおっしゃいましたけれども、イラク特措法は、同時に安全確保支援活動で、業務のなかに治安問題が入っているわけです。たとえば、アメリカ軍が要求すると武器弾薬の輸送、戦車などの戦闘車両の整備、発進準備中ではない戦闘機・ヘリの給油なども実施できることになっている。人道というけれども、実際の法律上の枠組みは軍事的な側面ももっているわけで、自衛隊をそういう任務をもって派遣することになると、あの泥沼状態のなかに放りこむということになる。自衛隊の家族のみなさんからも、これはやめてほしいといわれているのは当然のことだと思います。

 枝野氏は「早くイラク人による暫定統治機構をつくり、同時並行でフランスやロシアも、日本も自衛隊が行くのだからいっしょにいきましょうという構造をつくっていかないと(ならない)」とのべ、そういう体制ができれば、「現行のPKO法を改正するなど、自衛隊に行っていただくことは積極的にすすめていくべきだ」とのべました。

年金

厚労省の案は冷酷

 年金問題について、保険料は20%(現行13・58%)を上限として引き上げ、給付水準も現行の59・4%から「50%以上」へ引き下げることを内容とする厚生労働省案について、議論になりました。北側氏は「(給付)五割を水準にしていく制度設計は大事だ」とのべました。枝野氏は「数字のつじつま合わせだけで、議論の対象にもならない」とのべました。

 佐々木氏は、厚労省案は保険料の引き上げ、給付の削減で、「国民の不安と不信を広げる内容になっている」と指摘。「支給年齢くりのべがいま実施されている。逃げ水のように(年金が)逃げているときに、それを追いうちをかけるような負担増を国民に押し付けるやり方は、ほんとうに冷酷だ」と批判しました。

 額賀氏は、財界が保険料引き上げに難色を示していることについて、「設備投資が削減されていく。マイナスになるようなことは避けなければならない。経済界の言い分もよくききながら、対応していくことが大事だ」とのべました。

 佐々木氏は、「負担増か給付引き下げかという議論だと堂々めぐりになる。いずれにしても国民が被害をうけるような話ばかりだ。国の責任はどうなのか、大企業の責任はどうなのか。こういう点まで含めて考えるべきだ。とくに財政構造全体をどう考えるのかという発想でいかないと袋小路に陥る」とのべました。

 基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる財源に公明党が所得税の定率減税廃止をあげていることについて、額賀氏は「サラリーマンの中堅層が増税になる」と難色を示しました。

財源

庶民増税や消費税増税は正しくない

 佐々木氏は「公明党は庶民増税、自民党はあわよくば消費税増税ということも考えていると思うのですが、それは正しくない」と主張。道路特定財源を一般財源化して、その一部をまわすことや、年金の支え手を増やすために不当なリストラを規制して雇用を安定化すること、百四十七兆円の年金積立金の有効な活用などによって安心できる制度にできると主張しました。


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