2003年11月24日(月)「しんぶん赤旗」
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軽貨物運送業者と契約を結んだ会員から相談を受けた東北地方の民主商工会(民商)が、業界の仕組みを明らかにした本紙記事(十月二十八日付)を見せて業者と交渉、残債務のごく一部を本人が負担するだけで和解にこぎつけました。
民商が週一回開く「なんでも相談」に四十代の男性が友達の紹介で訪れました。男性は一月、大手軽貨物運送業者の説明会に参加。業者は「新車を購入すれば契約が結べる」と勧誘。多重債務を抱える男性は「ここで一生懸命働けば返済していける」と応募しました。
契約と同時に組まされたローンは、新車購入費用など三百万円を超えました。始めてみると仕事も少なく「失業」状態に陥りました。民商は業者の事務所へ出向き本紙記事を広げ「あなたたちは、仕事を回さなくても、会員さえ増やせばもうかるから、いいと思っているんでしょう」と迫りました。
本紙記事では(1)指定の新車の購入を条件に、収入は月四十万円などと巧みに勧誘(2)もうけは車両販売で、仕事を回さず会員がやめ新規の会員が増えれば増えるほどもうかる手口を明らかにしています。男性は「心の負担が一気にとれて良かった」と安どしています。
民商の担当者は「以前にも軽貨物運送業とのトラブルの相談があったが解決には至らなかった。今回は商売の手口や仕組みが分かったので交渉にも力が入った」と話します。