2003年11月22日(土)「しんぶん赤旗」
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遅くとも二〇〇七年度までに消費税率を10%に引き上げることを求めている日本経済団体連合会(日本経団連)の“増税シナリオ”が、二十一日までに本紙の調べでわかりました。
関係者の話によると、想定しているのは、〇七年四月一日から消費税率10%を実施すること。そのためには、国政選挙の予定がない〇五年夏から本格的な調整・準備に入り、翌年の〇六年春には法案成立を目指すとしています。
日本経団連は、消費税を「複数税率化」することを求めていますが、10%に引き上げた場合の軽減税率は「現行の5%を下回ることはない」といいます。また、複数税率を実施するために導入するインボイス(送り状)方式のために業者など関係者の準備期間が少なくとも一年間程度必要であることなどから、〇六年の早い時期の法案成立が不可欠だとしています。
また、日本経団連は将来(二〇二五年度)、18%程度への消費税率引き上げを求めていますが、複数税率にした場合、税収見積もりが減るため、「18%を上回る」としています。
小泉首相が「任期中は消費税を引き上げない。しかし、議論はする」としていることについて、日本経団連の関係者は、「議論する」とは、「実施する準備をすべて整えておくことだ」と指摘。ただ、これらのシナリオは、「来年夏の参院選挙の結果に影響される」といいます。
また、日本経団連は特別国会が開会した十九日、民主党の税制調査会総会で意見説明をおこなっています。
日本経団連からの政治献金を欲しがっている民主党の菅直人代表は、「将来、10%程度になることもある」とのべており、日本経団連は民主党に消費税増税への先導役を期待しています。