2003年11月21日(金)「しんぶん赤旗」
利益のためなら違法行為も辞さない武富士に厳しい対処を−。サラ金最大手「武富士」(武井保雄会長)による盗聴で元専務らが逮捕されるなど、刑事事件に発展するなか、武富士被害対策全国会議(代表・新里宏二弁護士)は二十日、日本経団連に対し、加盟企業の武富士を除名などの厳しい処分を行うよう申し入れました。要請行動には、新里氏ら弁護士九人が参加。日本経団連からは社会本部広報グループ長らが応対しました。
武富士は昨年十二月、財界総本山の日本経団連に加盟。
被害対策全国会議が、これに先立って日本経団連に対し「慎重な審議」を要請した際、入会にあたっては企業行動憲章を順守することを誓約させ、違反する場合には処分を行うと回答していました。
申し入れ書は盗聴について「(日本経団連に)加入し、一部上場企業でもあるサラ金業界のトップ企業が行ったというものであって、もはや言語道断」であると指摘。右翼・暴力団との関係、警察との癒着、違法な取り立てなどの問題点もあげ「利益のためであれば法違反も辞さない社風」と断じました。
日本経団連が掲げる「企業行動憲章」は「法律の遵(じゅん)守」や「反社会的勢力とは断固として対決」することをうたっています。申し入れでは、武富士の行為は、まさにこれを踏みにじる事態であるとのべ、断固とした処分を求めました。
日本経団連側は事実関係を調査する意向は示しましたが、具体的処分にはふれませんでした。