日本共産党

2003年11月21日(金)「しんぶん赤旗」

東京都立4大学、横浜市立大の法人化

行政の逸脱チェックを

議会あて大学教員有志260人


 全国九十六国公私立大学の教員二百六十人は十二日、東京都立四大学と横浜市立大学の法人化準備にあたって東京都議会と横浜市議会にたいし、「設置者権限を濫用する行政行為を看過しないよう」要請しました。

 東京都立大学では、学長が十月七日の声明で、東京都当局が、大学側の関与を排除して新都立大学の開設準備を進めていると批判。横浜市立大学でも、横浜市当局主導の下でつくられた改革案が任期制度の導入や基礎研究費の全廃などを盛り込んでおり、改革案は「学術研究の自律性を損なう」として、二学部の教授会や教員有志が強く批判しています。

 こうした現状を受けて、要請文は「大学の自主性を認めない行政行為は、地方独立行政法人法…に反し、地方行政の首長が個人的信念に基づき、教育・研究の当事者を排して大学を根本から改造することは、教育基本法第十条にある『不当な支配』そのもの」と批判しています。

 また、東京都議会と横浜市議会に対し、「各大学の自主性を明確に排除して進められていることを看過せず、教育関連諸法および国会審議に反する行政行為の逸脱をチェックする使命を遂行されること」を要請しています。地方行政の判断で特定の研究分野を弱体化させたり、画一的な法人形態に移行することがないように求めています。

 ◇

 教員有志それぞれのメッセージもあわせて発表されています。

 名古屋工業大学の教員 都(市)議会には、知事の偏狭な政策をただし、現計画の破棄を要求する。改革は、都民、市民、大学関係者の意見を入れて再検討すべきである。

 京都府立大学の教員 当事者の声を無視し創意工夫もないがしろにして、どのような高等教育・研究機関がつくれるというのでしょう。この乱暴でトップダウンのやり方がまかり通るところで、いかなる教育研究が行い得るのでしょうか、どんな学生が輩出されるのでしょうか。これは、東京都立、横浜市立だけの問題ではなく、日本のすべての大学・高等教育機関にかかわる大問題です。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp