2003年11月21日(金)「しんぶん赤旗」
兵庫県福崎町長選が二十五日告示、三十日投票でおこなわれます。民主町政三期目をめざす、しまだ正義町長(68)と、元助役の白井為次氏(60)との一騎打ちの見こみです。清潔で公正、住民の利益第一の町政をさらに発展させるのか、それとも逆流を許すのか、大激戦です。
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福崎町は、かつては「町長が二人も三人もいる」といわれ、一部の人間の利権や圧力で動く町政でした。八年前にしまだ氏が町長に就任して以降、大きく変わりました。公約の大半を実現、着手しています。
しまだ町長は、前町政が疑惑を指摘されながら手をつけられなかった「もちむぎ食品センター」(第三セクター)の不正経理を解明しました。商工会の不正もあわせ十億円近い公金横領・不明金などが明らかになり、腐敗構造にメスが入りました。麦の一種・もち麦の加工食品であるもち麦麺を町の特産として育てようと同センターの再建にも力を尽くし、再建一年目のことし八月の決算で黒字を出しました。
長年の課題だった公共下水道事業が本格着工し、歴代町長が解決できなかったJR福崎駅周辺整備も、大型バスの進入路とロータリー建設の見通しがつきました。
福祉や子育て支援でも大きく前進。郡内で唯一の、町内二つ目のデイサービスセンターが二〇〇一年三月に完成し、九九年から始まった無料の町内巡回バスは、年々利用者が広がり昨年はのべ一万五千人が利用しました。介護保険料・利用料を軽減し、国保税も引き下げ(〇三年度)られました。乳幼児医療費は、県は一割負担ですが、福崎町では就学前まで無料化しています。
同町福田の高寄保さん(65)は、「前の町政は、『もちむぎ』などでムチャクチャやった。それを解決して、下水道にしろ駅前にしろ、しまださんは、いままでの町長ができんかったことを一生懸命ようやってきた。やっぱり、町長はしまださんでなかったらあかん」と実感をこめていいます。
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広範な町民や日本共産党などで構成する「明るい福崎町をつくる会」は、町長選にあたって、「福崎町・新いきいきプラン21」を発表。公共下水道の早期完成、図書館や、駅前ターミナルなどの完成をはかるとともに、(1)保育所の改築と父母の要望にこたえる運営改善、デイサービスセンターを拠点にした在宅介護など福祉と子育て、医療の充実(2)道路整備をすすめ渋滞緩和、水害対策など安全で住みよいまちづくり(3)「もちむぎ食品センター」再建、企業誘致で地元商工業の育成、町内農家の販路確保など農業・商工振興−など六つの柱からなっています。
「明るい会」は、「しまだ町政三期目の実現で、清潔・公正、住民の利益第一の町政の流れをさらに前進させ、二十一世紀の福崎の町づくりをご一緒にすすめましょう」と町民によびかけています。
元助役陣営は、しまだ町政の豊かな実績の前に町政批判はできず、もっぱら「流れを変えよう」をスローガンに、「しまだ町長は共産党で、国・県とハッピが違うから補助金がこない」などのデマ攻撃に終始。地域や企業を激しくしめつけ、同陣営の事務所前には連日数十台の車が結集し、全戸訪問など大規模な組織戦をくりひろげています。
大激戦のなか、「明るい会」は、豊かな実績と「新いきいきプラン21」、しまだ町長の誠実な人柄を広げぬいて、なんとしても、しまだ町政を守り前進させようと、宣伝、対話に総力を上げています。
補助金問題での攻撃にたいしては、この四年間の福崎町への国・県支出金が九十三億円で、前町政の最後の四年間と比べて二十六億円も増えている事実などをしめして反撃。
国・県の補助金は、町民の協力で事業がすすめば法律にもとづいて支出されることを指摘して、「このしくみを元助役が知らないはずはありません。それを承知で『共産党だからお金がこない』などという人に、町政を担う資格はありません」と厳しく批判しています。
同町出屋敷の川崎得男さん(65)は、「ガラス張りの町政、住民生活に密着した福祉…。福崎町民でよかったなあと思います。『流れを変えよう』というが、この八年間で何か悪いもんがあるんか。ええ流れを変えたら、悪い方向に変わってしまう。今後大きな事業が続くので、しまだ町長でなければ、前のような利権や混乱の町になりかねません。私もしっかり訴えて支持を広げたい」と力強く話します。