日本共産党

2003年11月21日(金)「しんぶん赤旗」

海外派兵、改憲の大合唱

自民、民主議員ら次つぎ

前米国防長官 “戦死者出る覚悟を”


 自民、民主両党の国防族議員や軍需企業が中心となった「日米安全保障戦略会議」の会合が二十日、東京都内の憲政記念館で始まりました。三日間の日程。同会合では、米軍需産業が日本への売り込みに躍起になっている「ミサイル防衛」の実物大の模型ミサイルなどを展示。参加した自民、民主の議員らからは、地球的規模での自衛隊の海外派兵体制の構築や憲法改悪などの主張が相次ぎました。


憲政記念館で安保戦略会議

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憲政記念館に展示されたミサイル防衛の装備の一つ、SM3ミサイル模型。レイセオン社の担当者は「日本では初公開です」とのべていました=20日

 自民党の額賀福志郎政調会長は同会合で基調講演し、憲法が集団的自衛権の行使を禁じていることについて「(自衛隊の)武器使用で極めて大きな制限がなされていることは、わが国が国際的責任を果たしていく上で大きな問題点」「何らかの方向性を出す時期にきている。法的な条件をしっかり整備していくことが重要だ」と強調。行使容認に向けて積極的に取り組む考えを表明しました。

 また、自衛隊の海外での活動が自衛隊法で「付随的任務」とされていることを批判し、「本来任務」に引き上げることを「当然だ」と述べました。

 自民党の瓦力衆院議員(元防衛庁長官)も、来年には防衛庁の省昇格を求める動きが強いとし、「その先には集団的自衛権の問題の解決(がある)、憲法の問題も検討する」と述べました。

 パネルディスカッションに参加した民主党の前原誠司議員は、「私見」としつつ、「ミサイル防衛」や日米両軍以外も参加したシーレーン(海上交通路)の共同防衛の必要性をあげ、「憲法の問題でブレークスルー(突破)しなければならないことはある」と述べ、憲法への自衛権の明記と緊急事態規定の盛り込みを主張。「私が言った方向に(民主)党の議論をもっていけるように努力したい」と述べました。

 また、コーエン前米国防長官は基調講演などで、イラク特措法や自衛隊派兵のための恒久法制定をめざす日本国内の動きについて「うれしく思う」と表明。「憲法を改定しろとは言えないが、それはみなさんがやること」と改憲を促し、「(世界の)どこに日本の部隊を送っても死傷者もないというわけにはいかない。日本は、息子や娘たちを遠いところで失うリスク(危険)にさらされていることを認識し決断しなくてはならない」と述べ、自衛隊海外派兵のいっそうの促進を求めました。



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