日本共産党

2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」

小野国家公安委員長

追及受け右翼に返金

本紙指摘


 小野清子国家公安委員長は十八日、右翼団体「全愛会議」の志賀敏行名誉議長が会長をつとめていた建設会社から受領した献金約九十六万円を同日午前返金したことを明らかにしました。また、「政治勉強会」会費として受けていた会費計四万円も近く返還すると語りました。

 返還した九十六万円は十五日付本紙で報道していたもの。

 小野委員長によると、同委員長の後援会会費として、年間二十四万円を四年間受けており、政治資金収支報告書にも記載されています。一九九九年分についても、献金を受けた可能性がありますが、確認は取れていないといいます。

 また、朝食勉強会には昨年九月と今年六月の計二回に、同社社員一人ずつが出席。計四万円の会費支払いを受けていました。

 志賀氏は、一九九七年に警視庁に逮捕されていますが、小野委員長は「別名を使っていたため、気付かなかった」などと語り、右翼幹部という背景も知らなかったという立場です。献金についても「国家公安委員長就任前のことなので、(閣僚としての)責任は感じていない」とのべました。


解説

閣僚責任免れぬ

取り締まる立場にありながら

 小野国家公安委員長は、反社会的行為を繰り返す右翼・暴力団を取り締まる立場にあり、右翼側からの献金を返還したからといって、閣僚としての責任は免れません。

 小野氏は志賀敏行「全愛会議」名誉議長について、「右翼団体の肩書は知らなかった」などと弁明しています。しかし、小野氏側が説明しているように、両者の関係は、小野氏が参院議員に初当選した一九八六年ごろ、同名誉議長から「出身大学(東京教育大学)の先輩として応援したい」という電話があって始まったといいます。十数年にわたって、小野氏が右翼団体の肩書を知らないというのはいかにも不自然です。

 小野氏は、志賀氏が一九九七年に企業乗っ取り事件にからんで逮捕(裁判では無罪)されたときにも「別名を使っていたため、気付かなかった」などと弁明しています。しかし、当時、新聞で「右翼連合トップら計六人逮捕」という見出しで本名の「志賀三郎容疑者」と報道されています。「志賀」という名前に気がつかなかったという、説明も納得がいきません。

 小泉首相は、事実関係について徹底究明する責任があります。(忠)


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