2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」
日本医療労働組合連合会全国組合協議会は十八日、看護師や患者のおかれた実態を看護師がつづる「私のメッセージ」の中間まとめを発表しました。公的医療機関にもかかわらず、看護師の人手不足と増員を求める訴えが82・8%にのぼりました。
中間まとめは、十月末までに集まった全国協議会分、千百七十六枚を集約。看護師をはじめ、その家族、患者からも寄せられたメッセージは、人手が足りないために十分な看護ができず、患者の安全が脅かされている実態を浮き彫りにしました。
メッセージの記述内容を集計(複数カウント)すると、看護師の人手不足・増員要求が82・8%とトップを占め、次いで医療・看護の質を問うものが44・2%。医療事故への不安が29・5%、健康問題が26・0%、時間外労働に関するものが21・9%の順でした。
メッセージの特徴について、全国協議会は(1)看護師が仕事に追いまくられ、心身ともに疲れ果てている(2)患者の医療・看護に深刻な影響があらわれている(3)看護人員の抑制政策、増員ストップのもとで仕事量がふえ、大幅増員の必要性が証明された(4)夜間の人員体制の少なさや時間外労働の横行で、まともな労働条件が保障されていない−の四点を指摘しています。
中間まとめをうけて、安全でゆきとどいた医療・看護のためには看護師の大幅増員が緊急課題だとして、運動を強化していくことにしています。十九日には「看護師怒りの中央集会」を東京都内で開く予定です。
全国協議会は日本医労連に加盟する組合のうち、公的医療機関で働く職員が加入している七つの労働組合で構成されています。
看護師がつづる「私のメッセージ」の一部を紹介します。
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二交代制が始まって看護師が心身ともに疲れています。患者への笑顔の呼びかけは無理です。患者の状態に比べ看護師不足で、患者の満足する援助はできません。いつ、医療事故が起きてもおかしくないのです。もうがまんできません。(長崎県)
五十床で外来、内科、整形の混合病棟、手術患者をかかえて二人夜勤、自分が何を頼まれたのかも分からなくなってきている。昼休憩も細切れで、一日のスタッフが顔を合わせることもなく終わる。自分の病院に両親を入院させたくない。(石川県)
毎日病棟内を走り回って、仕事をこなさなくてはならない状態です。ナースステーションはいつも空っぽで、電話が鳴っても、ナースコールが鳴っても、出られない状態です。(山形県)
毎月九回の夜勤をしています。夜勤のあとは体を休めるために休日が欲しいのに、続けて四回夜勤をしなければなりません。さまざまな委員会や学習会、研修がありますが、多くは時間外です。夜勤明けで、眠らないで続けて会議に出席することすらあります。(静岡県)
超過勤務が毎日三時間は当たり前。しかし、超勤をしたというお金をもらったことは、二−三年まったくありません。申請しても「そういうことは言わないで」と相手になりません。(福岡県)