日本共産党

2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」

国立病院・賃金職員の雇い止めとパート化

“雇用守れ”座り込み

厚労省の一方的通告許せない

全労連が本省前で


 国立病院で働く賃金職員(定員外常勤職員)の雇い止め方針の撤回を求めて、賃金職員ら医療労働者、支援の労働者など三百人余が十八日、東京・霞が関の厚生労働省前で座り込みました。国立病院職員の雇い止め阻止全労連闘争本部が主催したもので、二十日まで三日間の行動です。

 同闘争本部の堀口士郎副本部長(国公労連委員長)は、「健全な労使関係を指導する立場にある厚生労働省が、労働者の雇い止め、パート化を一方的に通告するのは許せない。長年劣悪で差別的な労働条件のもとで国立病院医療を支えてきた職員の誇りを踏みにじるものだ」とのべ、雇い止めの撤回を求めました。全国各地の賃金職員が、マイクで訴えました。

 今月下旬に道川病院に統廃合される国立秋田病院で看護助手として勤めてきた佐々木吾八さん(57)は、「二十七年間、まじめに働いてきました。『定数の空きができれば正職員にするから』という言葉を信じて働いてきたのに、いまになって『来年三月末でサヨウナラ』とはひどすぎる。定年まで働かせてほしい」と訴えました。

来年3月まで雇い止め方針 厚労省

 全国百五十四の国立病院が来年四月から独立行政法人に移行するのにあたり、現在六千五百人いる賃金職員の雇用の継続が危うくなっています。 厚生労働省は十日、国立病院職員でつくる全医労(全日本国立医療労働組合)にたいし、賃金職員全員の来年三月末での雇い止めを一方的に通告しました。

 賃金職員のうち約二千人いる看護助手、調理師、ボイラー技師などは、業務委託を基本にパートにするとしています。

 約三千六百人の看護師については、各病院の必要とする定数の範囲で、採用試験実施のうえで優先採用する。ただし夜勤ができない看護師は、六時間勤務のパートとして採用するとしています。

 また、国立病院の院内保育所で働いている約三百人の賃金職員の保育士については、厚労省第二共済組合本部の運営審議会から業者への全面委託化が提起されています。

 また厚労省は独立行政法人移行後の就業規則案を全医労にたいして一方的に提示しました。賃金・労働条件は大幅にダウンします。勤続十年の看護助手の賃金職員(配偶者、子ども一人)が六時間パートになった場合、約二百九十万円の年収が、地域によって百二十八万円から百七十万円に激減することになります。


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