2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」
政府税制調査会(首相の諮問機関)は十八日、総会を開き、今月末にまとめる二○○四年度税制「改正」答申の骨格を固めました。総会では、基礎年金の財源確保策は、将来の消費税率引き上げを軸に検討を進めることを確認しました。税制「改正」答申には、消費税率上げに向けた環境整備として「福祉目的化」の検討を掲げる方針です。
基礎年金の国庫負担引き上げの財源問題と絡んで焦点となっている所得税の定率減税については、「現在の経済情勢では打ち切る条件は満たされていない」として、本格的な景気回復まで継続する方針を明記する方向です。
所得税額を一律二割カットする定率減税は、一九九九年から実施されています。これを廃止すれば、約二兆五千億円の増収が見込まれるため、公明党が基礎年金の国庫負担上げの財源に充てるよう主張しています。
これに対し、同税調は「定率減税と年金は直接関係がなく、廃止後の増収分は一般財源に戻すべきだ」(石弘光会長)と判断しました。
答申では、このほか、(1)住宅ローン減税(現行十年間で最大五百万円)の規模縮小(2)高齢者が受給する公的年金への課税拡大(3)住民税均等割の増額と専業主婦の免税措置廃止−などの庶民増税を盛り込む方針です。