日本共産党

2003年11月18日(火)「しんぶん赤旗」

「集団暴行に加わった」

中国人「慰安婦」訴訟 元日本兵が証言


 戦前、旧日本軍により強制的に「慰安婦」とされた中国人女性が日本政府を相手に謝罪と損害賠償を求めた中国人「慰安婦」裁判(第一次訴訟)控訴審の第九回口頭弁論が十七日、東京高裁で開かれました。法廷を埋めた傍聴者が見守るなか、三人が証言しました。

 中国山西省から来日した劉面換さん(76)は、一九四二年ごろ、旧日本軍に拉致され、四十一日に及ぶ監禁生活のなかで日本兵に集団暴行され続けたと証言。日本人に暴行されたため、戦後も幸せな結婚ができず、十歳年上の再婚の男性と結婚せざるをえませんでした。子どもは「日本人の子」といじめられることがあったといいます。

 劉さんは何度も泣きくずれ、「日本兵に何もかもメチャクチャにされました。先は長くありません。死ぬまでに賠償してほしい」と訴えました。

 加害者として法廷に立った元日本軍兵士(83)は、山西省に駐屯していた独立混成第四旅団での体験を語りました。軍隊の初年兵教育では、中国人捕虜への「刺殺訓練」がおこなわれたと証言。ミミズさえ殺せない自分が、人殺しを何とも思わなくなった軍隊での教育を告発しました。

 その後、四度にわたる討伐作戦での略奪・放火、女性への集団暴行・殺害の事実を詳しくのべました。河北省での作戦では、自らも中国人女性への集団暴行に加わったことを告白し、「なぜあんなことをやったのか、いま考えると人間でないことをやった」と声をつまらせました。

 歴史研究者の石田米子氏は、山西省での十七回にわたる現地調査をふまえ、旧日本軍の性暴力の実態とその本質を明らかにしました。中国人女性に対する性暴力は「一部の兵士の逸脱」によるものではなく、「軍に責任がある」と指摘しました。


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