日本共産党

2003年11月15日(土)「しんぶん赤旗」

イラク派兵反対 各地で行動

連日宣伝カー 毎日曜デモ計画

訴えに反響 涙流す自衛隊員の親


写真
自衛隊のイラク派兵に反対する署名を呼びかける有事法制反対岐阜県連絡会=13日、岐阜市

 政府がイラクへの自衛隊派兵を年内にも強行しようとするなか、全国各地で労働組合や平和・民主団体が「派兵は中止せよ」と反対運動を急ピッチですすめています。

大 阪

 「自衛隊のイラク派兵・戦費負担反対!」の看板をつけた宣伝カーで先月末からスポット宣伝をくりひろげてきたのは、大阪の安保破棄実行委員会。派兵反対を訴えるテープを流しながら、駅前や団地でビラを配布しています。日曜日の十六日からは連日、宣伝カーを動かしていこうと準備しています。

 「うちの息子は自衛隊員。小泉さんは、それほど(イラクに自衛隊を)いかせたいなら、自分の子どもをいかせればいい」と泣きながら訴える女性など、宣伝は反響を呼んでいます。自衛隊官舎の前では、若い奥さんが子どもを遊ばせながら、訴えに耳を傾けます。

 二十二日には、市役所前で昼休み集会も予定。二十八日には、有事法制反対河南連絡会が、河内長野や富田林、羽曳野など六市でいっせい宣伝を予定しています。

北海道

 北海道では、旭川と札幌の師団がイラク派兵の中心部隊といわれているだけに、自衛隊員や家族から不安の声がうずまいています。北海道の安保破棄実行委員会や有事法制反対道民連絡会は、陸上自衛隊の北部方面総監部や師団司令部に派兵反対を申し入れました。

 「占領軍への襲撃が続くイラクへの派兵が心配です」と自衛隊員と家族に向けたビラも作製。「派兵は平和の手助けにはなりません」「隊員の生命を危険にさらす派兵は許せません」と呼びかけています。

三重・奈良…

 陸上自衛隊のヘリコプター部隊が駐屯する三重県小俣町。この町でも地元の小俣町平和委員会がイラク派兵反対のポスターを張りだしています。奈良県では、特別国会開会日の十九日に有事法制反対共同センターが奈良駅前で宣伝をおこないます。秋田県の「有事法制の廃案をめざす共同行動事務局」は、三十日から毎週日曜日、「自衛隊のイラク派兵許すな、憲法九条守れ日曜市民デモ」を実施します。

中央団体は「宣伝週間」

 安保破棄中央実行委員会は、「草の根から宣伝し、署名を集め、いっせいに『派兵やめろ』の声を政府に集中しよう」と呼びかけています。派兵の閣議決定が狙われる二十一日から二十七日の一週間を「イラク派兵反対宣伝週間」とすることを計画。二十六日には、イラク派兵反対緊急全国代表者会議を開催します。

 全労連(全国労働組合総連合)は十三日、自衛隊のイラク派兵中止を求める要請書を小泉首相や石破防衛庁長官、自民、公明の両党に送付しました。派兵中止とともに、イラク国民の意思を尊重して、国連を中心とした復興への支援に改めるよう要請しています。

 婦人民主クラブ(再建)は十四日、自衛隊のイラク派兵強行に反対する声明を小泉純一郎首相に送りました。

 日本AALA(日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)は十三日、小泉首相にあて、派兵中止を要請しました。

改悪阻止の運動を

 川村俊夫・憲法会議事務局長の話

 「戦闘地域に行かない」ということは、政府自身が言い続けてきたことであり、憲法九条にもとづく文字通りギリギリの制約です。「全土が戦闘地域」とされるイラクへの自衛隊派兵は、この制約を踏み越え憲法九条の破壊を極限にまでおしすすめるものです。

 いま、世界の多くの国々は、アメリカのイラク戦争とその後の米軍による軍事占領を強く批判し、イラク国民への主権の返還を求めています。小泉内閣は、アメリカの先制攻撃戦略にもとづく無法な戦争に追随し、平和を願う世界の流れにも逆らって孤立の道を歩もうとしているのです。

 急速に強まっている憲法九条改悪の動きが、こうした海外での無法の軍事行動を、何の気がねもなく行うためであることもいっそう明らかになっています。いま、「九条を守りましょう」の署名やポスターの張り出しの運動が急速に草の根へ広がっています。広範な共同をつくりだし、自衛隊のイラク派兵と憲法九条の改悪を阻止しましょう。

戦後史汚させない

 西川征矢・安保破棄中央実行委員会事務局長(全労連副議長)の話

 米軍はバグダッド空爆を再開しました。三月以降、米兵の死者は三百七十八人にのぼっています。イラク全土は、いま、まさに戦場です。

 しかし、小泉政権は、ありもしないイラクの「安全な地域」をめざして、年内にも自衛隊を派兵すると表明しています。イラク派兵は、「国連を中心に解決を」という国際世論への挑戦であるばかりか、場合によっては、他国民を武力によって殺し、また殺されるという日本の戦後史にぬぐいきれぬ汚点をもたらす重大事態をも引き起こしかねません。

 安保破棄中央実行委員会は、職場・地域の草の根から自衛隊派兵反対の声を小泉政権にむけ緊急に集中することをよびかけています。二十一日からを全国的宣伝週間とし、全国の街角から運動を強化します。とりわけ陸上自衛隊第二師団のある北海道旭川、第十一師団のある札幌などイラクへの出撃拠点となる地域でのたたかいを急速に強化します。さらに情勢に応じ、中央集会もよびかけたいと思います。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp