2003年11月14日(金)「しんぶん赤旗」
十二日にイラク南部ナシリヤで起きた爆発事件で、軍兵士、警察官など少なくとも十八人のイタリア人が犠牲になりました。イタリア国内ではイタリア軍のイラクからの撤兵を求める声が噴出しています。
共産主義再建党のベルティノッティ書記長は「イタリア軍は進行中の戦争に組み込まれている」と強調、即時撤退を求めました。緑の党も「ブッシュ(米大統領)の先制戦争のために無数のイタリア青年の命をもてあそぶことはモラルに反する」と糾弾しました。
共産主義者党や左翼民主(党)の一部、最大労働組合の労働総同盟も撤兵を求めています。
一方、ベルルスコーニ首相は同日の声明で、犠牲者を追悼しましたが、テロとのたたかいを続けるとしてイラクからの軍撤退は否定しました。
事件は、同国全体を悲しみで包んでいます。国会や大統領府、国防省関連施設、主要都市の行政機関には半旗が掲げられ、軍参謀本部前には市民が次々と献花に訪れました。イラク駐留兵士の家族からの安否問い合わせも殺到し、軍は緊急電話番号を設けて対応に追われています。
イタリア各紙(電子版)は身元が確認された犠牲者の名簿を載せ、遺族の悲鳴を伝えています。
「夫を亡くしてここで一人でなにをすればいいの? もう死にたい。私の人生は意味がないわ」(兵長の夫人)
「彼はあと三日で帰国する予定だったのよ。でももう彼はいないんだわ」(四十四歳の夫を亡くした女性)(レプブリカ紙から)