2003年11月9日(日)「しんぶん赤旗」
財界が、各党の選挙公約の成績採点表をつくりました。経済政策の十項目について自分たちの利益を基準に評価したもので、自民党と保守党は十項目全部が〇(「良い」)でしたからいわば百点、公明党と民主党は八項目が〇で八十点、これにたいして、日本共産党は、「悪い」、つまり×(バツ)ばかりでした。
もう財界にとって、いままでのような与党・野党の区別はないのです。自民党から民主党まで、すべてが財界の味方の党だということ、これにたいして、共産党は、財界にとって手ごわい相手だということです。それは、国民の立場からみれば、日本共産党こそいちばんの味方の党だ、ということではないでしょうか。
財界が消費税大幅値上げ計画の張本人だということは、広く知られてきました。この財界とはどういう勢力でしょうか。最大の財界団体・日本経団連の会長は、トヨタ自動車の奥田会長です。トヨタは、この不景気のもと、三月期決算で、一兆四千百四十億円という史上最高の経常利益をあげたことで有名な会社。これは、三百六十五日で割れば、日曜休日をふくめて、毎日平均三十九億円のもうけを上げたという勘定になります。
こういう気の遠くなるようなもうけをあげる巨大企業の集団が、もっと大きなもうけをあげたい、企業にかかる税金(法人税)はもっと引き下げて、国民みんなに負担させる税金にきりかえろ、こういう考えから、消費税の大幅増税を提唱したわけで、なんと虫のいい話ではありませんか。
あまりにも財界本位のこの計画に、与党ばかりか、野党第一党の民主党までが賛成する、これが、財界がシナリオを描いた“アメリカ式二大政党制”の本体であります。
自民党と民主党は、いまの憲法をご破算にする憲法改定論で一致しているだけではありません。こんど、選挙が終わったら、自民党と民主党の“国防族”とよばれる国会議員たちが集まり、アメリカの国防関係者もくわわって、こともあろうに国会施設のなかで、今後の軍備拡大についての「戦略会議」を、開こうとしていることが明らかになりました。
しかも、この会議の応援団は、日本とアメリカの軍需産業です。日本では、三菱重工業、石川島播磨、川崎重工業とか、防衛庁の発注でもうかっている軍需企業。アメリカでは、ボーイング、グラマン、ロッキードなど、そうそうたる軍需企業。日本とアメリカの軍需産業の後押しで、自民党と民主党、それに公明党までくわわって、タカ派議員による日米の相談会です。
みなさん、これが、自民党と民主党の“対決”の正体です。憲法改悪と軍備拡大を、そこまで一体になってすすめる人びとに、みなさんの大事な一票をまかせるわけにはゆかないではありませんか。