日本共産党

2003年11月6日(木)「しんぶん赤旗」

21世紀の日本

財界支配許したら どうなる

自民も民主も献金のひもつき

どちらを選んでも最悪の選択


 財界が政府・自民党と相談ずくで打ち出し、民主党が飛びついた消費税の大増税と憲法改悪。献金の力で、日本の政治を財界いいなりの「二大政党」で一色に塗りつぶす財界の野望を許せば、二十一世紀の国民の暮らしと平和は大変なことになります。

税金重圧

グラフ上
グラフ下

 日本の税制は、所得税、法人税、消費税の三つから成り立っています。

 日本経団連(奥田碩会長)は法人税引き下げを要求する一方、消費税の税率を18%まで引き上げようと狙っています。そうなったら、消費税総額は四十五兆円、赤ちゃんからお年寄りまで、国民一人当たり年間三十六万円もの負担がのしかかってきます。(グラフ上)

 自民と民主は、この増税路線を競い合っています。

 こうなったら、日本の税制は消費税中心になり、税金は庶民が払うもの、財界・大企業は払わなくてすむ――庶民にとっては“税金地獄”になってしまいます。

年金大変

 消費税が増税されたら社会保障が安心かというと、とんでもありません。自民・公明政権は来年、年金制度の大改悪を計画しているのです。(グラフ下)

 この計画では、厚生年金の保険料は約一・五倍、国民年金も年間で約六万円も値上げされます。受け取る年金の額も、大幅カット。現役世代の「50%程度」(小泉首相)になると、夫婦二人分のモデル年金で、年間で四十三万円も削減です。

 民主党も追加の「マニフェスト」で同様の水準を打ち出しました。“企業の社会保障負担を抑制せよ”という財界の求めに応じて、消費税増税と保険料アップなど国民負担増でまかなう最悪の計画です。

派兵国家

表

集団的自衛権の政府見解「再検討」とあわせて、「2005年憲法改正」をうちだした経済同友会の安全保障政策の提言(2001年4月25日)から

 民主党が新しい憲法をつくる「創憲」を政権公約に盛り込むと、“改憲元祖”の自民党が、競うように「二〇〇五年、憲法改正に踏みだします」と政権公約に明記しました。経済同友会は二〇〇一年の提言で、米国と海外で共同作戦をできるようにするための集団的自衛権を認めることとセットで「二〇〇五年までには憲法改正に必要な手続き」を取るよう求めていました。

 「戦争はやらない」「戦闘地域にはいかない」。こんな言い訳をしないで海外派兵ができるようにしたい――。財界や自民党が狙う憲法改悪は派兵国家への道です。

イージス艦(1隻1365億円)
              4隻から6隻に

“ヘリ空母”(1隻1164億円)
                将来4隻に

空中給油機(1機257億円)
                当面4機に

ミサイル防衛
    将来 約6兆円 という試算も

*米ランド研究所の試算

軍備拡大

 憲法を改悪し、海外で戦争する国になったら、新たな軍備拡大が待ちうけています。防衛庁はことしの「防衛白書」で「自衛隊の国際的な任務」が「重要な活動の一つ」だと明記。「ミサイル防衛」参加や、海外派兵型装備の導入を計画しています(別表)が、その背後には、軍拡で巨額の利益をねらう財界の動きがあります。

 日米の主要軍需企業二十社は「日米安全保障産業フォーラム」を結成、「ミサイル防衛」の共同生産を提言しています。自民・民主両党は政権公約で「弾道ミサイル防衛の推進」を表明しています。

 この大軍拡の財源に消費税を充てることがねらわれているのです。

日本共産党

悪政反対の立場はびくともしない

 二十一世紀を財界主役の政治にしようとしているときだからこそ、「国民が主人公」の立場で悪政に反対する本当の野党――日本共産党の前進が必要です。

 日本共産党は、戦前の天皇絶対の時代から、命がけで国民主権、侵略戦争反対を主張してきた国民の党、愛国の党です。

 そして、財界や大企業から絶対にお金をもらわない政党だからこそ、財界と政府が総がかりできても、野党第一党がその仲間入りをしようとも、消費税増税、憲法改悪という悪政に反対する立場はびくともしません。

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