2003年11月1日(土)「しんぶん赤旗」
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【ワシントン30日遠藤誠二】米国が軍事侵攻したイラクやアフガニスタンの復興事業を受注した米企業のほとんどが、ブッシュ大統領に多額の献金をしていたことが三十日、民間団体の調査で判明しました。米軍が破壊したイラク国内の各施設の復旧には、米国はじめ各国の莫大(ばくだい)な税金が投入されますが、事業の受注企業に、ブッシュ政権と関係の深い米大企業が浮かび上がっています。
調査結果を発表したのは、ワシントンを拠点に活動する非営利の民間調査組織「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」(CFPI)。調査は、総額八十億ドル(八千八百億円、一ドル百十円で計算)にも及ぶイラク、アフガニスタンの復興事業を受注した米企業の多くが、政治・軍事面で政権と深いつながりをもっており、これら七十一社が二〇〇〇年の大統領選挙で五十万ドル以上をブッシュ陣営に献金していると指摘しています。
受注額第一位は、チェイニー副大統領が二〇〇〇年まで最高経営責任者(CEO)を務めたエネルギー大手ハリバートン社の子会社であるケロッグ・ブラウン&ルート(KBR)。イラクの石油施設復旧などの事業で二十三億ドルの仕事を請け負っています。二位はシュルツ元国務長官が幹部を務めるエンジニアリング大手ベクテル社で、十億ドルの事業を受注しています。
調査結果はまた、これら企業の六割近くが、共和党または民主党政権・議会幹部、米軍の主要人物に仕えるか、強いつながりをもっている人物を、幹部などとして雇用していたことも明らかにしています。
イラクでの復興事業では入札は行われず、受注の経過が極めて不透明だと内外の批判が絶えません。CFPIのルイス理事は調査結果について、「契約のシステムがいかに無駄で、不正や縁故にさらされやすいかを示している」と話しています。
米議会は二十九日、イラク復興費用を含む八百七十億ドルの対テロ予算を二〇〇四会計年度に組み込むことをほぼ決定しています。