2003年11月1日(土)「しんぶん赤旗」
東京都の石原慎太郎知事は三十一日、都庁内で行った会見で、戦前の日本による朝鮮半島の植民地支配(日韓併合)を正当化した暴言について、あらためて「(朝鮮人の)当時の先祖が選択した」と繰り返したうえ、「彼らの代表機関である政治家が合議した」とのべ、当時の日本が陸海軍を大規模に動員して強圧的に押しつけた併合を、当時の朝鮮人が自主的に選んだとする異常な歴史認識を示しました。
石原知事は「彼らの代表が国会なるものを持ってたんでしょうからね。そこで議決すれば、どれだけの比率の投票だったかも知らんけど、いずれにしろ政治家たちが合議して採決したんでしょ」とのべ、一九一〇年の「併合条約」を正当なものと強弁しました。さらに、インドシナ半島のフランスの植民地支配、フィリピンのアメリカ支配に比べれば「日本がやった植民地主義は人道的、人間的だった」との認識を示しました。
問題の発言は「公人としてか、個人としての見解か」と記者に問われた石原知事は、「都知事も個人もない。私は都知事である石原としてあの会に行った」とのべ、公人としての発言であることを認めました。
東京都の石原慎太郎知事が戦前の日本による「韓国併合」を正当化する発言をした問題で、日本共産党都議団は三十一日、発言の撤回と謝罪を求める申し入れをしました。申し入れ書は、「正当化発言は、戦前の日本帝国主義による朝鮮半島の植民地支配という歴史的事実をゆがめるもの」だとして、「都知事として断じて許されるものではありません」と批判しています。
申し入れは、木村陽治都議団長が行い、応対した知事本部の松田二郎秘書部長が、「知事に伝えます」とのべました。