2003年10月31日(金)「しんぶん赤旗」
「連合との約束が後に回った」−民主党のマニフェスト(政権公約)の内容が、連合(日本労働組合総連合会)と合意した内容と違って、財界いいなりになっていることが明らかになりました。
「どっちが中心? 『政権公約(マニフェスト)』それとも『七つの重点政策』」−。連合の機関誌『月刊連合』十一月号は、こんな見出しをつけた記事を掲載しています。
それによると、連合と民主党は政策担当者を通して数回の調整をおこない、(1)失業のない経済(2)税のムダ遣いをやめ(3)活力に輝く地域(4)子どもや高齢者、女性が安心して暮らせる(5)国民の命と健康を守る−との「五つの約束」で政策協定を結ぶと確認していました。
ところが、十月の「新たな民主党結成大会」の数日前、民主側が「七つの重点政策」を用意していることが発覚。このなかで、「五つの約束」で最重点課題に位置づけていた雇用・失業問題がすっぽり抜け落ち、代わりに(1)基礎年金を税方式へ(2)公務員人件費の一割削減−などを明記した「七つの重点政策」に変わっていたというものです。
『月刊連合』は、「スッキリしない連合側は、再三、雇用・失業問題を掲げるべきだと主張したが、話し合いは平行線をたどった」といっています。いま民主党が全国で配っているマニフェストのダイジェスト版で打ち出しているのも、「七つの重点政策」の方です。連合と合意した「五つの約束」は最終面の小さな扱いに押しやられています。
連合加盟のある労組幹部は、「民主党が、財界の方に顔を向けたから、雇用問題をすっ飛ばしたのではないか」と話します。