2003年10月25日(土)「しんぶん赤旗」
「創価学会『週刊新潮』攻撃 品性欠く言語感覚」──日本ジャーナリスト会議(JCJ)機関紙二十五日付が、こんな記事を載せました。
創価学会が系列メディアを総動員した“新潮バッシング”を取り上げたもの。
「言論暴力団のデマ新潮」「狂って赤っ恥」「幼稚な悪ガキ、デマ新潮」──聖教新聞が連発する悪罵(あくば)。JCJ機関紙は、こう批評しています。
「薄汚い表現の羅列。宗教団体とは思えない言葉の暴力である。しかも、こうした批判記事の見出しがそのまま新聞広告や電車の中づり広告に執拗に掲載されている」。そして「メディア同士の相互批判は結構」だが、「学会はこうした『幼稚』な言葉使いを払しょくしてからスタートラインに立つべきである」と。
◯…一面を池田大作名誉会長礼賛で飾る聖教新聞。ページを繰ると一変します。学会批判者への罵詈雑言(ばりぞうごん)。長期連載の幹部座談会記事などの標的は『新潮』や日蓮正宗、日本共産党から一部民主党議員にも及びます。
しかもその言葉は「ヘビ、犬畜生、クズ野郎、異常人格、前科者、色坊主、クソ坊主…」。これが秋谷栄之助会長らの言葉として登場します。
誘われて学会の集まり(座談会)に出た首都圏の男性は言います。
「共産党や新潮の悪口ばかり。それが聖教新聞の引き写しだと知って驚いた」
◯…「子供たちに読ませたくない口汚い日本語」のタイトルで学会メディアの品性を問うたのは『週刊文春』十月二日号。「家庭に配布されている新聞に、これほど人間性を否定するような内容が掲載されているなんて」という女性教師や、「(日蓮は)論争するときは激しい言葉を使いましたが(学会のように)相手の品格や人格をおとしめるような言い方はしていません」という浅見定雄東北学院大名誉教授の談話を紹介しています。人を動物扱いして極端に揶揄(やゆ)したり、前科や病歴を暴くやり方は名誉棄損、プライバシー侵害に当たるとも指摘しています。
◯…創価学会の批判拒否・言論抑圧体質の根は深い。一九七〇年の言論出版妨害では時の権力者・田中角栄自民党幹事長の力も借りました。
いま、政権に入り、非課税の財力による巨大広告などでマスコミ工作をすすめる一方での、特定メディアや個人攻撃。『週刊新潮』もさまざまな問題を抱えていますが、それとこれとは別問題です。
「君の言うことには賛成できないが、君がそう言う権利は、ぼくは命のかぎり擁護する」はフランスの思想家ヴォルテールのものとされてきた言葉。
「批判は一切許さぬ。屈服するまでやる」がいまの創価学会。しかもそれを系列メディアを通して末端に浸透させ、あおりたてる。ファシズム的手法です。(虎)