2003年10月24日(金)「しんぶん赤旗」
創価学会が、総選挙で東京十二区から立候補する公明党候補の「支援者名簿」作成をゼネコンに依頼し、提供させていることが本紙入手の内部文書でわかりました。ゼネコンは創価学会を「得意先」としたうえで、自身の下請け企業に従業員の名前を名簿に載せるよう依頼しており、取引関係を利用した政教一体の集票活動が露骨です。
この中堅ゼネコンは「東急建設」(本社・東京都渋谷区)。本紙が入手したのは、「支援者名簿作成のお願い」と題する「九月吉日」の同社内部文書。作成したのは、同社コストセンター調達部の担当者で、あて先は同社の下請け企業でした。
これによると、「この度(たび) 弊社得意先であります 創価学会様より公明党下記議員への支援者名簿作成依頼」があったとしており、支援候補は、公明党の太田昭宏前衆院議員(東京十二区候補者)。「都内23区と近郊の埼玉県に所在されている貴社に今回のお願いとなりました」と説明しています。
「お願い」文書は、東京十二区の地域をこまかくあげたうえで、この地域に在住する「貴社の従業員の方々のお名前をお借り」したい、と依頼。さらに、「名簿提出後名簿記載者に、公明党(創価学会)より協力依頼の電話がありますので、“協力しますので頑張ってください”程度の受け答えをお願い致します」と求めています。
「お願い」文書とともに送付された「支援者名簿」には、「紹介企業名」「紹介者・役職」の欄があり、会社名・氏名・住所・電話番号と「関係性」を記入する形式。九月十日までにファクスで返信することが要請されています。
東急建設調達部の担当者は本紙の取材にたいし、この文書を作成したことを認めました。担当者によると、「支援者名簿」の用紙は学会が持ち込んだものでした。また、東京十二区以外にも公明党候補支援の名簿を作成していることも明らかにしました。
創価学会は全国各地で「平和会館」などをゼネコンに発注しています。
同担当者は「依頼は営業経由でもらい、業務としてやってくれと上にいわれた。三十社か四十社かに出した。強制ではない。ここで集計し、総務でとりまとめている」などと話しています。