2003年10月23日(木)「しんぶん赤旗」
日本道路公団の藤井治芳総裁は、「週刊文春」(二十三日発売)のインタビュー記事で、石原伸晃国土交通相との会談で自身が話したとされる道路行政に絡んで圧力を受けた政治家関係者のイニシャルは「T、A、I」だったと明らかにしました。藤井氏は「Tは故竹下登元首相、Aは青木幹雄元官房長官、Iは飯島勲・小泉首相秘書官」と説明しています。
藤井氏は、東京・赤坂のホテルニュージャパン跡地の売却方法をめぐって竹下氏と対立、疎まれていたとする一方、青木氏については二○○一年に同公団が地元・島根県の工事発注を見送った際、電話があったとしています。
また飯島氏は「幻の財務諸表」を月刊誌で内部告発した片桐幸雄同公団四国支社調査役の人事に絡み藤井氏に、「これは左遷じゃないか。いいか、片桐は処分するな。そのままにしておけ」と電話をかけてきたといいます。
飯島氏はさらに、同公団が片桐氏などにたいし刑事告訴を検討していた際にも藤井氏に長時間、電話。「刑事告訴など、絶対に止めろ!」「言う通りにしろ。悪いようにはしないよ。あのなぁ、俺はむしろ、あんたのことを守ってやっているんだからな」などといった、といいます。
藤井氏は政治家関係のイニシャルをあげたことについて「政治家の圧力の中で改革をやってきたことを(国交相に)話そうとした」と説明。石原国交相が「藤井氏は『(秘密が分かれば)死人が出る』と言った」としていることについては、「一切しゃべっていない」と否定しています。