日本共産党

2003年10月21日(火)「しんぶん赤旗」

堀内・自民総務会長

富士急グループ社員を地元秘書に

政治資金収支報告に記載なし

会社事務所は看板だけ


 自民党の堀内光雄総務会長が、みずから代表取締役会長をつとめる富士急行(山梨県富士吉田市)のグループ企業社員を地元事務所で働かせていたことが二十日、本紙の調べで分かりました。この社員は「自由民主党総務会長 堀内光雄事務所」の名刺を持って活動しており、実態は地元秘書。企業による秘書の派遣は、政治資金規正法上、寄付とみなされますが、政治資金収支報告書にも記載されていませんでした。

 この人物は、昨年九月から堀内氏の公設第一秘書になっています。それまでは、堀内氏の選挙区内の山梨県石和町にある堀内氏の石和事務所で、「自由民主党総務会長 堀内光雄事務所」の名刺を持ち、堀内氏の代理として会合などに出席していました。

 堀内氏の後援会関係者はこの公設秘書が「石和事務所が設立された一九九四年ごろから、私設秘書として働いていた」と証言します。

 この人物はもともとは、堀内氏が代表取締役会長をつとめる富士急行の社員。その後、グループ企業の富士急建設に出向していました。

 堀内氏の石和事務所の建物自体も富士急建設所有。手前の目立つところに「堀内光雄事務所」の看板が掲げられていますが、富士急建設の名前は建物の隅のほうに「富士急建設株式会社連絡所」の小さな看板がかけられているだけです。

 堀内氏の後援会関係者は、「たしかに富士急建設の看板もかかっているが、もっぱら堀内事務所として使われていた」と証言。「NTTのハローページにも富士急建設石和連絡所の電話番号はなく、堀内氏の石和事務所の電話番号だけが掲載されている。電話帳にものらない建設会社の連絡所などまずありえない」と語っています。

 本紙が入手した堀内氏の選挙関係資料にも、石和事務所の欄にこの人物の名前や携帯電話番号が記されています。

 本紙の取材にたいし、富士急建設は「ご指摘の人物はたしかに私どもの石和の連絡所に在籍し、営業に携わっていた」と、社員であったことは認めながらも、堀内事務所での活動実態を「営業」だとする見解を示しました。また、同社も、堀内事務所も「富士急建設が秘書給与の肩がわりをした事実はありません」とだけ回答しています。

資金管理団体もナゾ

 自民党の堀内光雄総務会長の資金管理団体である「国際政経懇話会」が都心の一等地にありながら、設立された一九九四年から昨年まで、事務所費や光熱水費、人件費などをいっさい支出していないという奇怪な実態が政治資金収支報告書でわかりました。自民党有力議員の資金管理団体で、長年にわたり事務所費などの支出がないのは極めて異例ですが、「誰が負担しているのか」という本紙の質問にたいし、堀内事務所は「回答を差し控えたい」とのべています。

 「国際政経懇話会」は九四年、東京都港区赤坂に設立。今年八月ごろまではビルに「堀内事務所」の看板が掲げられていました。ビルの同じ階には、富士急行グループ企業の「エフ・ジェイ」社(旧富士急商事)の事務所があります。堀内氏は富士急行の代表取締役会長で、エフ社の代表取締役。

 本紙の取材に堀内事務所は、事務所費を「エフ・ジェイ社に肩がわりはしてもらってない」と回答しています。


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