2003年10月21日(火)「しんぶん赤旗」
総選挙公示(二十八日)まで一週間となりました。衆院解散から十日間の各党の論戦を通じて、消費税増税問題が熱い争点に浮上してきました。
小泉首相は当初、「任期中の三年は上げない」とくりかえし、増税隠しで選挙をやり過ごそうとしました。
ところが、民主党が政権公約に「基礎年金財源に消費税を充てる」と、消費税増税を明記(五日)し、財界から歓迎されると、自民党も後を追うように「税率引き上げ」について「国民的論議を行い、結論を得る」と公約に明記(十日)。同日のテレビ討論で、小泉首相は、この公約について、日本共産党の志位和夫委員長に追及され、「将来を展望すれば、上げざるをえない状況になる」と本音をもらしました。
さらに、公明党も「社会保障全体のあり方を考える中で消費税引き上げの検討は避けられない」(神崎武法代表、十六日)と言い出しました。
消費税増税計画は、財界・大企業が、自分たちの税金や保険料の負担を減らそうという思惑で打ち出し、ひもつき献金で政界を買収する計画も立ててきたもの。
この大増税計画にきっぱりと反対しているのは、日本共産党だけです。日本共産党は、財界主役ではなく、「国民が主人公」の政治への転換を訴え、税金の使い道をかえ、社会保障と暮らしを予算の主役にすえることを主張しています。将来は大企業や高額所得者にふさわしい負担を求める税制、社会保障の抜本改革を提案しています。
9月25日 | 日本経団連が政治献金に関する政策評価基準の「優先政策」10項目を発表。消費税増税、法人税減税を求める政党に献金すると提起 |
10月1日 | 民主党が9月18日にまとめた政権公約素案(第1次集約)について経済同友会が「国家像や政策体系がやや不明確」として年金問題など8項目で提言 |
5日 | 民主党が政権公約を発表し、「基礎年金財源に消費税を充て、新しい年金制度を創設する」と明記 |
6日 | 奥田碩・日本経団連会長が記者会見で「(民主党が)消費税を基礎年金の財源に充てるとしている点については賛同する」と発言 |
7日 | 北城恪太郎・経済同友会代表幹事が記者会見で、民主党の提案を 「一歩前進の提案」と評価 |
10日 | 自民党が政権公約を発表し、「将来の消費税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」と明記 |
同深夜 | 小泉純一郎首相が民放番組の党首討論で、「将来を展望すれば、消費税は上げざるをえない状況になるというのは、わかっている」と発言 |
13日 | 菅直人民主党代表が記者会見で、「現在でも財源をすべて消費税にすると6%ぐらいになる。将来、あれこれ考えて10%程度になることもある」と2ケタ税率引き上げを打ち出す |
16日 | 神崎武法公明党代表が時事通信インタビューで「将来的には、社会保障全体の在り方を考える中で消費税引き上げの検討は避けられない」と答えたニュースが配信 |