日本共産党

2003年10月20日(月)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい 選挙特集

雇用

不安なくし安定した雇用増やす

日本共産党は提案します


雇用不安を、ここまでひどくしたのは「小泉改革」

 雇用の安定は、国民が生きていくうえでなくてはならない基本です。それがいま、完全失業率5%台が二十六カ月続き、三百数十万人が失業するというかつてない深刻な事態に。ここまでひどくしたのは、大企業のリストラを応援し、不安定な働き方をすすめている小泉「構造改革」です。日本共産党は、雇用不安を解消し、安定した雇用を増やすために具体的な提案をしています。


サービス残業なくせば160万人増

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「若者に仕事を」と声をあげて行進する全国青年大集会の参加者たち=19日、東京・渋谷区

 仕事がなくて困っている国民がたくさんいる一方で、長時間の「サービス残業」(ただ働き)がはびこっています。大企業を中心に、リストラで人員が急速に減り、残った労働者に仕事の負担がかかっていることが背景にあります。

 サービス残業は労働基準法に違反する明白な企業犯罪です。それが、いま平均で年間二百三十時間にものぼっています。こんなことは外国にはありません。これをなくして、その分の人を雇えば、百六十万人分の雇用が生まれます。GDP(国内総生産)も2・5%増える効果があるといわれています。

 日本共産党は、サービス残業を根絶するために、職場の労働者や家族と協力して、国会で二百四十回も追及してきました。二〇〇〇年には「サービス残業根絶法案」を国会に提出しました。

 この結果、厚生労働省もとうとう重い腰をあげ、二度にわたって根絶のための通達を出しました。この二年半で百五十億円を超えるサービス残業代を支払わせています。

リストラ抑え雇用ルールつくる

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 いま大企業の職場では、労働者の人権をふみにじる大規模なリストラが横行しています。東京証券取引所に上場している大企業だけで、過去三年間で三十万人も正社員を減らしています。大企業の身勝手なリストラ競争を野放しにしていたのでは、いくら雇用対策をやっても栓を抜いた風呂おけに湯を入れるようなもので、雇用不安はなくせません。

 日本共産党は、労働者の人権を守り、労働契約のルールを確立する「解雇規制・雇用人権法」を提案しています。

 ▽正当な理由のない解雇の禁止、人員整理計画の事前協議制を確立します。

 ▽希望退職や転籍など「退職」を強要するための人権侵害を許しません。

 ▽派遣やパート、有期雇用などの労働者の雇用と権利を守ります。正社員になる道を広げます。

 ※中小企業へは助成措置をはかります。多くの中小企業は、大企業の下請けいじめのもと、経営上特別に困難な状況におかれており、大企業の横暴なしめつけの規制とともに、予算の増額など中小企業の経営を発展させる措置をとります。

失業者への生活保障と仕事の対策をすすめる

 緊急に次のような対策をすすめます。

 ▽雇用保険の給付期間を一年まで延長する▽雇用保険が切れ、生活困窮の失業者への生活保障制度を創設する▽子どもの学費助成、住宅ローンつなぎ融資など家庭と家族を維持するための制度を創設する▽臨時のつなぎ就労の場(新しい失対事業)を国と自治体が協力してすすめる。

人手不足の社会保障分野で増員

 福祉、医療、防災、教育など国民生活に必要な分野で、深刻な人手不足が起きています。保育園の待機児童の増加、介護サービスが十分に受けられないなど住民サービスの低下につながっています。この解消のために計画的に雇用を増やしていきます。

 ●教員 三十人学級実施で新たに十二万人の教職員の採用が必要です。

 ●保育士 保育園に入れず待機している子どもが増えつづけ、六万二千人(〇二年十月現在)にも。この解消をはかるだけで、一万人以上の保育士が必要になります。

 ●消防士 市町村の目標にたいして、消防士は五万人も足りません。

 ▽国が自治体を財政的に支援し、地域での雇用対策をすすめる…地方自治体の雇用創出計画に、国が財政支援をおこなう仕組みを強化し、自治体が地域経済の振興と雇用確保を効果的にすすめられるようにします。

政府と大企業の責任で若者雇用

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 未来ある若者が仕事につけないという深刻な社会問題が広がっています。完全失業者の半分が三十四歳以下の若者です。四百七十万人もの若者が「フリーター」とよばれる不安定な仕事についています。

 最大の原因は、大企業が利益を優先して、高卒や大学卒の採用を控え、正社員を減らして、若者をパートや派遣で使い捨てしていることです。そのことは、中小企業が若者の正社員を増やしているのに、大企業は百八万人も減らし、パート・アルバイトを三十七万人も増やしていることで明らかです。

 政府の若者の雇用対策も貧弱です。今年度予算での政府の若年雇用対策費はわずか二百五十億円です。これはGDPの0・005%にすぎず、大企業むけの技術開発補助金の上位五社分とかわりません。OECD(経済協力開発機構)諸国十五カ国の平均がGDPの0・11%。日本はその二十二分の一、けた違いの低さです。

 日本共産党は、政府と大企業の責任で、若者への安定した雇用を増やし、「フリーター」からの脱却を応援します。

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大企業向け技術開発補助金
上位5社で229億円

 日立製作所 58.6億円

 三 菱 電 機48.4億円

 東   芝 47.2億円

 三菱 重工 37.8億円

 川崎 重工 37.4億円

 5社 合計 229.3億円

 経済産業省2000年度予算分、塩川鉄也衆院議員調べ。金額は、それぞれ四捨五入しています。


ホント?

自民党「530万人の雇用創出」
民主党「2年後 失業率4%台」

 自民党は政権公約「小泉改革宣言」で、「雇用の創出、維持・確保へ五百三十万人雇用創出計画プログラムの達成」を掲げ、「すでに創出された二百万人の雇用機会に加え、今後二年間で三百万人以上の雇用機会を創出する」といっています。

 5%台の失業率が二十六カ月も連続しているのに、雇用を「二百万人」増やしたといっても国民には、さっぱり実感がありません。今年四―六月と小泉内閣が発足した〇一年四―六月を比べると、雇用者が五十万人減少し、完全失業者は二十八万人も増えています。サービス分野で三年間に「二百万人」増えたといいますが、サービス業は産業構造の変化で五十年近く増え続けています。しかも今年から統計のとり方を変えたうえ、一・三倍の水増し数値を加えたのが、政府の「二百万人」雇用増の中身です。

 大企業などは大規模なリストラをすすめ、正規雇用労働者を派遣や契約社員など不安定雇用労働者にどんどん置き換えています。こうした大企業の横暴を野放しにしておいて、どうして雇用創出なのでしょうか。

 民主党は、マニフェスト(政権公約)で「失業のないつよい経済を再生する」として、二年後に失業率を4%台にするといいます。しかし具体的にどうするのか、実行する中身が何もありません。とりわけ雇用不安の主な原因である大企業などのリストラ・人減らしにはひとことの批判もありません。

 民主党と連合(笹森清会長)が結んだ政策協定には、「国民が政治に求めているのは、雇用とくらしの安定である」とあります。民主党は、連合組合員も反対した労働基準法改悪に自民党とともに賛成しました。長時間労働を助長し、サービス残業を合法化する裁量労働制を導入しやすくし、正規社員を減らしてパートや有期などの不安定雇用におきかえやすくする内容です。

 リストラで人減らしをすればするほど減税になる究極の大企業リストラ支援法である産業再生法の対象を拡大する改悪に賛成してきました。

 この法改悪は、財界の要求にもとづくものでした。民主党はいま、財界に企業献金を要請しています。大企業のリストラ・人減らしをおさえることができず、「失業のない」公約の実現はほど遠いものになるでしょう。


財界ヒモつきではなく堂々と物言う党

 財界・大企業から企業献金を受けて、大企業中心の政策をすすめる自民党。同様に企業献金をほしがり、消費税増税など「構造改革」のスピードを競い合う民主党。財界のヒモつき政治では労働者・国民の雇用は守れません。大企業から一円の献金も受けない、腐れ縁のない清潔な日本共産党だからこそだれにも堂々とものがいえ、雇用を守り、増やしていくことができます。


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