2003年10月16日(木)「しんぶん赤旗」
小泉首相や安倍自民党幹事長は総選挙を前に、「景気回復に向けた動き」を裏付ける指標の一つに「倒産件数の減少」をあげています。しかし、企業倒産の“専門家”である民間信用調査会社は二社とも、〇三年度上半期と九月の倒産集計発表(十五日)のなかで、これを真っ向から否定しています。
その一つ、東京商工リサーチは、倒産減少の原因に信用保証協会による返済条件の緩和や銀行取引停止の減少をあげ、最近の倒産件数減少は「倒産が表面化しない」だけであり、「景況改善によるものではない」と指摘しています。
帝国データバンクも、「多くの中小企業は、リストラや取引見直しによるコストカットで損益分岐点を引き下げ…生き延びているのが現状で、決して景気回復によって本業不振が解消されている訳ではない」としています。