2003年10月16日(木)「しんぶん赤旗」
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消費税導入のときも、税率を5%に上げるときも「福祉のため」といわれました。でも、その後社会保障は改悪の連続ではなかったでしょうか。
医療費や介護保険料は上がる。年金は支給開始年齢が遅らされたうえ、いま年金をもらっている人の受給額まで削られました。これだけみても、消費税が「福祉のため」というのは口実にすぎません。
消費税の税収はこれまでに総額百三十六兆円にものぼっています。一方で法人三税(法人税・法人住民税・法人事業税)の税収は百三十一兆円も減ったんです。景気の悪化もありますが、大企業減税が繰り返されてきたからです。
財界はそれでも満足せず、今回も消費税増税と抱き合わせで「法人税の引き下げ」や「年金保険料の企業負担の廃止」などを要求しています。消費税増税の本当のねらいは「福祉のため」ではなく、大企業の負担を減らすことなんですよ。
社会保障は、ほんらい立場の弱い人を助けるためのものではないでしょうか。その財源に、弱い人ほど重い負担になる消費税をあてようという発想自体おかしいと思うんです。
日本共産党は、消費税増税なしでも安心できる年金制度を提案しています。国庫負担の二分の一への引き上げは、ムダな公共事業を削り、道路特定財源などを年金財源にまわすことでただちにおこないます。
将来的には国と事業主の負担で「最低保障年金制度」をつくることも提案しています。大企業やお金持ちに所得と資産に応じた負担を求めれば、消費税を上げなくても年金は支えられます。