2003年10月16日(木)「しんぶん赤旗」
九月末のJR中央線線路切り替え工事トラブルで、JR東日本は工事前の数回の個別リハーサルでうまくいかなかったにもかかわらず、見切り発車していたことが、本紙の入手した内部文書や証言でわかりました。
JRの電気技術関係者は、今回の工事について「個別のリハーサルは実施していたが、総合的なリハーサルは行っていない」と話します。さらに、「個別のリハーサルでは配線ミスとなった転てつ器(ポイント)についても、何回やってもうまくいかなかったし、大丈夫だという確認がしきれていなかった」と証言しました。
今回の中央線の工事では、配線を従来の端子で行うのではなく、コネクター(収束接続器)で接続する新しい方法がとられました。
ところが、そのコネクターの配線図にミスがあり、配線ミスにつながりました。配線図についても工事関係者は「工事十日前にやっと受け取った」といい、十分に配線を点検できる余裕がありませんでした。
JR技術者は、事前にJR常務会に(1)切り替えまでの準備期間が短かすぎる(2)一回の切り替えでやるには作業量が多すぎる(3)施工会社の技術が低いし、設備管理体制が弱い(4)線路切り替え予定日と事前工事の進行が合っていない(5)作業内容が徹底されていない(6)新しい技術を導入するにしても、協力会社、下請け会社に教育が行き届いていない−などの問題点を指摘していました。しかし、常務会では工事について異論は出されませんでした。