日本共産党

2003年10月15日(水)「しんぶん赤旗」

同時報告 イスラム首脳会議

日本共産党参議院議員 緒方靖夫

友は友を呼ぶ 心は熱く

公式ゲスト通行証 胸に


十月十二日

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12日、マレーシア行きの機内で、ファラ駐日ジブチ大使(左)と談笑する緒方靖夫党国際局長(神田米造党国際局次長撮影)

 「今度は、イスラムの会議で一緒ですか」―十二日午前に成田から乗った飛行機で、アフリカのファラ駐日ジブチ大使と会いました。大使とは、二月にやはりマレーシアでおこなわれた非同盟諸国首脳会議で会い、東京行きの飛行機にも同乗し、その後、懇談した時に、私のサウジアラビア訪問を話すと、大使はすでに知っていました。「エッ、どうして」と聞くと、笑いながら、「サウジアラビアのワリ代理大使から、あなたの訪問前に聞いているのですよ」と語っていました。

 同大使は、日本駐在各国大使のなかで最もキャリアが長い人が務める外交団長であり、東京に駐在するイスラム国のまとめ役でもあります。「会議で、私の友人を紹介しますよ」といっているそばで、同じ飛行機にたまたま乗っていたサウジアラビアのツルキスタニ博士を紹介してくれました。東京での「イスラムとの対話」シンポジウムに参加して帰国するという彼に、昨年リヤドでアッカーズ諮問評議会外交委員長と会ったことを話すと、「私はイスラム担当大臣顧問で、仕事でも一緒になる親しい友人ですよ」とうれしそうに応じます。最初のあいさつで「日本共産党の議員」と自己紹介したときの一瞬みせた硬い表情がほころび、イスラム会議行きなどを話すにつれ、笑みをうかべ、「あなたはイスラムの友人です」と握手しました。

 クアラルンプールに到着して、空港貴賓室へ。そこで、サウジアラビア紙新聞編集長のムハマト氏に会い、さらにホテルへのバスのなかでは、チュニジア、モロッコの代表と一緒になりました。隣に座ったチュニジア政府の広報局長は、不破議長が出席した八月の民主立憲連合の大会では、事務局責任者を務めたとのことで、一気に大会の話に花が咲きました。なんと世界は狭く、友は友を呼ぶものかと会議前なのに心は熱くなりました。

十月十三日

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13日、OIC会議会場内で、昨年10月のカタール訪問、今年2月の非同盟諸国首脳会議に続いて、カタールのアジア・アフリカ局長を務めるホレイフィ大使(右)との再会を喜ぶ緒方靖夫党国際局長(神田氏撮影)

 「イスラム世界と日本共産党の関係に一つの歴史的な画期をつくっている」―十三日午前に開会したイスラム諸国会議機構(OIC)閣僚会議で、私は公式ゲストとして会議場に座っていることに深い感慨を覚えました。

 開会のコーランの朗唱を聞きながら、私の心に、党の野党外交のさきがけともなった一九九九年の不破議長のマレーシア訪問が走馬灯のようによみがえってきました。日本共産党として初めてのイスラム国への訪問ともなったマレーシア政府との会談で、外交から国づくりまで広範に一致し、その後、党との関係だけでなく、原水爆禁止世界大会への同国政府代表の参加、マハティール首相の同大会へのメッセージなど反核平和の課題での共同にひろがり、非同盟諸国首脳会議への参加をへて、今回の招待となりました。

 これを縦の関係とすると、横のイスラムの関係はマレーシアに加えて、昨年十月のサウジアラビアなど中東・湾岸六カ国訪問、同十二月の志位委員長のパキスタン訪問、八月の不破議長のチュニジア訪問など東アジアからアフリカまで広範に友好を深めました。とくに、今回の参加の直接のきっかけとなったのは、OIC(本部サウジアラビア)のバヒット政治局長との会談でした。OICとマレーシア政府の決定で今回招待されたことは、この縦横の関係の発展を象徴しており、私は、この間に受けてきたイスラムの温情を反すうしていました。

 公式ゲストの通行証を首からつるしていると、厳戒態勢の会場内外をどこでも自由に通行できます。カタールのホレイフィ・アジア・アフリカ局長とは、政府代表団の席でばったり出会いました。駐仏大使の経歴をもつ彼はフランス語で「ヤスオ、また、会えたね。会議中に、ゆっくり話そう」と声をかけてくれました。

 OICは、六九年のイスラム首脳会議を経て、七一年に国際機構として正式に発足し、加盟国は五十六カ国と一機構(人口十二億人)であり、今回十回目の首脳会議です。イラク戦争の前後から国際政治のなかでもより大きな注目を集め、会議では、イラクの今後、中東問題、異なる文明間の対話が議題となり、活発な議論がすすめられています。


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