2003年10月11日(土)「しんぶん赤旗」
|
衆議院は十日午後、解散されました。政府はただちに臨時閣議を開き、第四十三回総選挙の日程を、二十八日公示・十一月九日投票と決定、事実上の選挙戦に突入しました。日本共産党は解散直後、国会内で総選挙勝利をめざす国会議員団決起集会を開き、不破哲三議長、志位和夫委員長があいさつ。日本共産党の前進・躍進の決意を誓い合いました。同日夕には東京・新宿駅東口で緊急街頭演説を行いました。三千人の聴衆を前に不破議長、志位委員長が選挙戦での熱い焦点を訴えました。
|
「二十一世紀を迎えた日本のこれから、国民の暮らしのこれからがかかっている選挙」と切り出した不破議長は、自民党・財界勢力が消費税大増税、憲法改悪を二十一世紀の大戦略と明確にしてきたことを、この日発表された「自民党政権公約」で跡付けて告発しました。
不破氏は、「政権公約」では社会保障制度の財源に消費税をあて“将来税率引き上げを国民的議論で結論を出す”と明記し、憲法問題でも二〇〇五年に憲法「改正」し、大きく足を踏み出すことをはっきり宣言しているとのべ、「どちらの計画も国民の暮らし、平和をとんでもない方向にもっていく大攻撃だ」と訴えました。
そのうえで、消費税が弱者いじめの税金であり、二ケタ税率を計画している財界の狙いは法人税引き下げにあるとのべ、「国民に負担を求め、法人税をもっと下げよという。こんなムシのいい、勝手な話はないではないか」と告発。「自民党が選挙に勝ったら、国民がこれを信任したといって進むことは間違いない。今度の選挙を、国民をふみつけにする政治への大反撃の選挙にしようではないか」と訴えると、大きな拍手がわきおこりました。
不破氏は、世界的に評価されている憲法九条のもつ意義を力説。憲法改悪の狙いが、米国の要求で九条の制約を取り払い、海外に自衛隊を派兵することにあるとのべ、消費税大増税、憲法改悪という二大暴挙に正面から立ち向かう日本共産党への大きな支持をよびかけました。
不破氏は、この二つの大問題で新民主党が「反対」しないどころか、財界・自民党を手助けするような政権公約を打ち出していることを紹介。「これはまさに野党の立場と責任を投げ捨てるものではないか」と問いかけると、「そうだ」の大きなかけ声が飛び交いました。
最後に「国民とともに悪政と対決する政党、国民のための改革を真剣に追求する政党こそが、新しい政治をおこす」と力を込め、日本共産党への支援をよびかけました。
志位委員長は「国会解散で国民の審判をあおげということは、わが党がかねてから主張してきたこと。堂々と受けて立ち、必ず前進・躍進をはたしたい」と力強く訴え、日本共産党の改革提案について語りました。
「経済の改革」では、「大企業や大銀行のもうけを応援する政治から、国民の暮らしを応援する政治に改革をはかる」ことを強調。(1)税金の使い道をかえ、社会保障と暮らしを予算の主役にすえる(2)国民の暮らしと権利をまもる“ルールある経済社会”をつくる(3)経済まで米国に指図される現状からぬけだす─の三つを提案しました。
「外交・安保の改革」では、イラク戦争をめぐる小泉純一郎首相の米国言いなり姿勢を批判。(1)自衛隊の海外派兵をやめさせる(2)世界の道理にたった自主外交に転換する(3)米国言いなりの根源にある日米安保条約をなくす─ことを訴えました。
そして「自民党政治を大もとから変える本当の改革の方針を示している政党は日本共産党だけ」と強調。選挙での絶大な支持を訴え、大きな拍手を受けました。
街頭演説には多くの人たちがつめかけ、仕事帰りや買い物帰りの人も足をとめて聞き入り、弁士の訴えに「そうだ」の掛け声も飛びました。手を振って声援を送りながら通り過ぎる人や、同時に行われた消費税大増税反対署名に応じる人もありました。
演説は、若林義春党東京都委員長(衆院比例東京ブロック候補)の司会で行われ、CS衛星通信で全国の党事務所に放映されました。
【関連記事】