2003年10月8日(水)「しんぶん赤旗」
夜中に集合し、「絶対見つかるな」「捕まるな」とビラまきを指示された−−。一面所報のように、複数の創価学会員が本紙に謀略ビラ配布の実態を語りました。
証言した創価学会員は、東京都内で創価学会の地区(学会の地域組織)の男子部幹部をしていました。この学会員が謀略ビラを配布したのはいまから二−三年前のこと。ビラは日本共産党などを攻撃したもので、聞いたこともない団体が発行元となったものでした。
時期は選挙中。配布当日の夜十時すぎ、地区の上部組織にあたる「部」の男子部長から地域の拠点(創価学会員の個人宅)に集合をかけられました。
集まったのは約二十人。このときは二、三人が一組となって、公明党の法定ビラだけをまくグループと、謀略ビラをまくグループに分けられ、夜中の十二時すぎに配布をはじめました。
ビラまきに先立って地区の男子部長は「ひとつのビラは配ってはいけないビラだ。配っているところを絶対に見つかるな」「捕まるな」「ポストに入れるところを人に見られるな」と注意を繰り返したといいます。
創価学会員は、「違法行為という認識はありました。しかし、集まったメンバーはだれも異論を唱えなかったし、共産党だからやっつけてしまえという気持ちでした。やってはいけないこととは思いませんでした」と証言します。
さらにこの学会員は次のように語りました。
「違法ビラを配布するメンバーは男子部の幹部が個別に集めます。そのために男子部のなかでも配布する人は限られているし、女子部、婦人部は創価学会がこんなビラを配布していることすら知らされていない」
この学会員はこれまで数回、日本共産党や他党を中傷するビラを配った体験があります。
別の創価学会員は、自社さ政権時、宗教法人法問題をめぐって創価学会批判を繰り返していた自民党の加藤紘一衆院議員(当時)らを狙い撃ちにした中傷ビラを配布しました。発行団体は聞いたことのない名前でした。
配布メンバーは地域支部の男子部長に呼び出され、夜中の十二時に地域の学会の拠点に集められました。約二百枚を午前二時ぐらいまでかかって配りました。「捕まったら『公明党の青年局と答えろ』と指示された」といいます。
この学会員はことし春のいっせい地方選挙でも活動し、「創価学会の会館で決起集会をやりますし、数字的なものも報告されます。会館を選挙に利用するのは当たり前のことだと思っています」と語っています。