日本共産党

2003年10月8日(水)「しんぶん赤旗」

ソウルの米軍基地

移転,実は大拡張

面積倍加/費用は韓国負担


 韓国の市民団体「平和と統一を開く人々」は六日、ソウルの国防省前で記者会見し、在韓米軍再編に向けた協議で米国が示した合意文書案を公開しました。このなかで米国は、ソウル中心部にある龍山(ヨンサン)米軍基地の大部分を韓国に返還する代わりに、移転先としてソウル南方の都市に代替敷地を要求。移転費用の全額負担も求めています。米国が求める代替敷地の面積は龍山基地の約二倍に達するといいます。

 米側の文書案は、四月から始まった「未来の米韓同盟政策構想協議」に出されたもの。龍山基地の移転先をソウル南方四十キロの烏山市(人口約十二万人)と同六十キロの平沢市(同三十六万人)とし、移転完了時期を〇六年十二月三十一日に設定しています。

 「韓国は在韓米軍の移転に必要な土地、代替施設、財源を供与する」と明記し、移転は「作戦能力、(米軍兵士の)生活の質、在韓米軍への支援が強化される方法で行う」としています。

 こと細かに例示されている「必要な施設」は米軍用のゴルフ場まであげており、移転作業中の臨時ゴルフ場の建設まで要求しています。

 龍山基地は在韓米軍司令部、在韓国連軍司令部、米韓連合司令部がある中枢基地で、面積は約二・九平方キロ。文書案では、「代替敷地の正確な範囲は共同調査のうえ決定される」としていますが、「平和と統一を開く人々」によると、米側は約二・三平方キロを返還する代わりに約四・三平方キロの用地を求めています。

 移転先の烏山と平沢には、すでに米空軍基地があります。とくに平沢は、龍山基地だけでなく、休戦ライン近くに展開されている米第二歩兵師団などの移転先にもなっており、住民被害の増大が懸念されています。「平和と統一を開く人々」は会見で、「米国は、龍山基地の全面返還に応じないばかりか、基地被害を平沢市に持ち込もうとしている」と批判しました。


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