日本共産党

2003年10月6日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPRESS

若者に仕事を 19日に青年大集会

実行委員会の思い


 青年自身が声をあげて、政府と大企業の責任で青年の雇用をふやし、労働条件を改善しよう――。青年・学生団体、労働組合、業者団体の八団体が実行委員会をつくり、十月十九日に東京都内で「若者に仕事を」全国青年大集会を開きます。実行委員会と協賛団体の人たちに思いを語ってもらいました。


いい医療をしたいから

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「青年に仕事を」の署名をよびかける民青同盟の人たち=東京都内

 日本医療労働組合連合会青年協議会議長 三村真理子さん 私は看護師です。いま医療現場では入院日数の短縮や、入院患者の高齢化・重症化にともなって、想像を絶する忙しさです。「休みがとれない」「仕事が時間内に終わらない」など人手不足にたいする不満や悩みをもっている人がたくさんいます。そんななか、二十五歳の若さで看護師が過労死してしまいました。

 事務や給食、検査部門では派遣・委託・外注などがふえ、正規職員が少なくなっています。医師や看護師にも派遣労働を入れる動きがあります。

 来年四月から国立病院が独立行政法人に移行するのにともなって、約七千五百人の賃金職員(正職員と同じ仕事をしている非常勤職員)が雇い止めの危機にさらされています。

 集会では「いい医療をしたい」「いい看護を提供したい」という医療従事者の思いを伝え、賃金職員の雇用を守る運動、医療労働者をふやす運動を広げていきたい。

なぜ学ぶか悩む高校生

 全日本教職員組合青年部事務局次長 広瀬拓さん 高校生の就職難が深刻です。就職できないために「何のために勉強しているのか」と悩み、学ぶ意欲まで失ってしまう。教職員も企業をまわってがんばっていますが、それだけでは限界があります。政府の責任で解決していくことが必要です。

 はたらく青年の状況も大変です。若い教師は「もっといい授業をしたい」「もっと子どもとかかわりたい」と考えながらも、職場の管理強化、多忙のなかで、「この仕事をつづけられるのか」と不安を抱いています。安上がりの教育政策のなか、臨時教職員もふえています。短い期間で任用を繰り返し、悔しい思いをしながら子どもたちと別れなければならない教職員がたくさんいます。教育など公の分野で雇用をふやすことが大事です。

 これまで職場に労働組合がなく、泣き寝入りせざるをえなかった青年といっしょに、「雇用をふやせ」のとりくみを広げていきたいと思います。

人生設計ができるよう

 首都圏青年ユニオン委員長 名取学さん 青年ユニオンは、フリーターや派遣、契約社員など不安定雇用の労働者でつくっている百五十人ほどの労働組合です。結成して約三年たちます。これまでに約五百件の労働相談が寄せられています。相談内容は圧倒的に賃金未払いや解雇で、件数がふえています。

 「当面は三カ月間、アルバイトで働いてほしいけれど、その後は正社員にする。我慢して働いてくれ」といわれて働きだしたのに、一年たっても二年たっても正社員にしてもらえない。そういう労働契約にかかわる相談もたくさんあります。これでは自分の人生設計をつくっていくのは不可能です。

 良質な雇用、安心して働けて、人生設計もきちんとできる。そういう労働条件を確立していくことが必要なのではないか。集会を契機にして、青年の労働条件を引き上げ、安定的な雇用をもとめる運動をつくっていければいいな、と思っています。

起業支援をしてほしい

 全国商工団体連合会青年部協議会事務局長 小林俊光さん 民商青年部は、商売に夢をかける青年の切実な要求を大切にし、資金繰りや高すぎる税金をなんとかしたい、経営をのばすための交流がしたい、ともに夢や悩みを語れる仲間がほしい、という願いにこたえて活動しています。

 地域経済を立て直そう、地域のなかで生活を豊かにしていこう、ということを掲げていますが、その点から見ても、青年の雇用の問題は本気でとりくまなければなりません。自営業者の青年も深刻です。起業する青年が増えてきていますが、業者青年は若いということで必要な資金が借りられず、消費税で営業を破壊されています。

 私たちは業者青年の立場から、青年の雇用も、起業も支援される日本をいっしょにつくっていきたいと考えています。全国大集会実行委員会に加わって、青年がいきいき働き暮らせる社会をつくりたいと思っています。

青年たちと対話広げる

 日本自治体労働組合総連合青年部長 小川薫さん 青年部は八月に大会を開催しました。多くの代議員から、自治体職場でも長時間・過密労働や違法な不払い・サービス残業が横行し、同時に低賃金で劣悪な労働条件で働かされているさまざまな形態の不安定労働者が増大し、その多くが青年に集中しているという報告が相次ぎました。

 こうした実態を許さず、新入職員の採用と適正な人員配置を求める運動と、自治体リストラの名のもとでの福祉・医療・教育をはじめ、あらゆる分野でのサービス切り捨てに反対し、ムダな大規模公共事業で危機にひんした財政の民主的転換をめざす運動を展開することを確認しました。

 民青同盟や各種青年団体と協力・共同し、さらに広範な青年労働者との対話をひろげ、青年がその夢と希望を踏みにじられることのない、社会の一員として自負と確信がもてる雇用条件、賃金・労働条件の改善をかちとるために奮闘します。

自分の力で社会動かす

 日本民主青年同盟委員長 姫井二郎さん 「四十社、五十社受けても就職先が決まらない。自分は社会に必要とされていないのではないか」「同僚が仕事中に突然死した。毎日十二時間も働き、四、五日徹夜することもある」――こんな現実を黙って見過ごせない、青年自身が立ち上がろう、とはじめた「青年に仕事を」の運動にこれまでにない規模で、青年の共感がひろがっています。青年雇用署名には、一カ月あまりで二万人の青年が協力してくれました。

 青年が働きたくても働けないような社会に未来はありません。政府と大企業の責任で、実際に雇用をふやすまで青年の声と行動をひろげていきたいと思っています。

 十月十九日の集会は、青年みずからが、「雇用をふやせ」と声をあげる初めての集会です。青年の力で社会を動かし、未来をきりひらく、大きな一歩になるよう、みなさんの参加をよびかけます。

新聞産業で増える派遣

 日本新聞労働組合連合青年女性対策部青年女性部長 山田正美さん いま企業では、若者の雇用不安を促すような、正社員の派遣社員・契約社員への置き換えがすすんでいます。新聞産業でも例外ではなくて、派遣や契約社員で将来の不安をかかえたまま働いている仲間たちが大勢います。社会的使命感が強いはずの新聞社でさえそういう状況です。

 良識のある企業や経営者ならば、若者が将来にわたって安心して働き豊かな人生設計ができるような労働環境を整える社会的責任があるのではないかと思います。この集会をとおし、そうした自覚を企業に促すことができれば、と考えています。

就職ルール確立を急げ

 全日本学生自治会総連合委員長 大塚健太郎さん 学生の就職率が近年、過去最低を更新しています。55%の学生しか正社員になれません。パートや派遣などで働く、あるいは進学も就職もしないという学生が最新の調査で十二万人というなかで、学生たちは、大学を卒業してこれから社会に出るという第一歩で本当に大変な思いをさせられています。

 就職協定が廃止されてからは、就職活動の長期化・早期化がますます深刻になっています。

 そうしたなかで、私たち全学連は、しっかりした就職のルールづくりを求めて活動しています。今回の集会では、多くの学生が置かれている立場や、就職難の実態をしっかり学習していくと同時に、この問題の解決に向けてみんなで考えていくという立場で参加したいと思います。

協賛団体

求人ふやせ政府に要求

 高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会(就職連絡会)事務局長 林萬太郎さん 二〇〇一年の十月に連絡会を結成して、政策提言をもって行政や経営者団体などへの申し入れをしてきました。

 これまで政府は就職難の問題を「青年がみずから選んだ生き方」などといってきました。それが、五月末に発表された「国民生活白書」(内閣府)で就職難の主要な原因は企業の採用行動の変化にある、とのべるなど認識を改めています。

 では、どうするのか。政府が六月に出した「若者自立・挑戦プラン」を見ると、キャリア教育、青年の起業・創業支援、職業訓練の三つが主な内容です。政府や自治体が青年を直接雇用することや、雇用を減らしている大企業が高校生・大学生の枠をつくるように指導することが必要です。ところが政府は、求人をふやす立場をとらない。

 「若者に仕事を」というのは、ズバリその解決策。総選挙では、青年の雇用と労働の問題の解決をめざしてがんばる必要があります。


「若者に仕事を」全国青年大集会

地図

 とき 十月十九日(日)

 午後二時 プレ企画(労働相談、バンド演奏など)

 午後三時 集会開会。集会後、パレード

 場所 東京・渋谷区の宮下公園(地図参照)

 【スローガン】

 政府・大企業は、若者の雇用を増やし、労働条件を改善してください

 問い合わせ 民青同盟 電話03(3468)5301

 ホームページ http://www.dylj.or.jp/


高校生の街おこし

ふれあいショップ

島根・私立出雲西高校

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「お客さんとのふれあいが楽しい」と森山部長(左)と大島副部長

 小売店の廃業が相次ぎ、シャッターをおろした店が目立つ島根・出雲市の駅前商店街。ここで、高校生が街おこしとして「ふれあいショップ」というお店を開いています。開店時間は毎月第二・第四土曜日の午前中。ちょっとのぞいてみました。

 お店は駅から五分くらい歩いた中町商店街にありました。十人ほどの高校生が忙しそうに働いています。人通りの少ない路地に、ひときわ目立つ制服姿。近づくと「いらっしゃいませ!」。元気な声が飛んできました。

 店内には首飾りなどの装飾品から飲食物、自分たちの好みで仕入れた商品が並んでいます。「北海道に高知県、各地の名産品がそろってますよ」

 働いているのは私立出雲西高校のボランティアサークル「インターアクトクラブ」(約四十人)の部員たちでした。ふだんは老人ホームを訪れてお年寄りの介護をしたり、東南アジアに車いすを送る活動などをしています。

 感性生かして 販売店を始めたのは八月から。「商店街の活性化のために、高校生の感性を生かした販売店を開いてほしい」と出雲商工会議所に頼まれたのがきっかけです。同会議所の空き店舗支援事業「ゆめショップ」一号店としてオープン。仕入れにかかるお金なども同会議所が支援しています。

 「最初に頼まれたときは不安もあったけど、楽しそう、という気持ちがまさった」と部長の森山可菜さん(三年生)。お年寄りなどが足を止め、話しかけてくるようになりました。「商品知識はあんまりないんだけど、お客さんのほうから『ここの商品は私のふるさとでつくってるんだよ』とか話してくれるんです」

 副部長の大島恭子さん(三年生)も、「自分から積極的に話せるようになったかな。最初は戸惑いもあったけど、私たちの選んだジュースを『おいしい』といってくれたりするとうれしくて」。

 顧問の吉田英司先生はいいます。「モノを売ることで、社会体験や人と接するマナーを身につけられる、いいとりくみです。同時に、地域の文化や人々と触れ合う機会になります。それらを通じて生徒たちに自分たちの住んでいる場所と歴史を知ってほしいと思っています」


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