2003年10月3日(金)「しんぶん赤旗」
衆院憲法調査会は二日、「米国、カナダ及びメキシコ憲法調査議員団」(中山太郎団長)による調査概要の報告を受け、自由討議を行いました。この調査には日本共産党の山口富男議員が参加しました。中山団長は報告で、米国カリフォルニアでの憲法・政治学者との懇談では、単独行動主義を強めるブッシュ政権の対外政策を批判する意見が相次いだとのべました。「メキシコのPKO不参加の哲学」をめぐる懇談では法学者や元外相が、「PKOに一人の兵士も出していない」「アメリカと三千キロに及ぶ国境線を接するわが国が対等な関係を保とうとすればこれしか方法はない」とのべたと紹介しました。
一方、アーミテージ米国国務副長官との懇談では同氏が、集団的自衛権を解除する議論が日本で起こることに「大変重要であり歓迎している」とのべたこと、これにたいし山口議員が「集団的自衛権の問題など異なる見解を持つ」と表明したことを報告しました。
山口議員は調査についての感想の中で、カリフォルニア州立大学バークレー校での懇談について紹介。憲法九条を守りぬくことはアジアと世界の平和と安定にきわめて重要だと発言し、講演後アジアからの留学生らに囲まれ「『九条を大事にしてほしい』と激励を受け、世界とアジアの願いを実感する得がたい経験となった」とのべました。
自由討議で日本共産党の春名直議員は、「国連総会でのアナン事務総長の演説のように、世界でアメリカの国連無視の先制攻撃戦略は許さないという流れが広がっている。日本は九条改悪ではなく九条にそってこの流れの促進の立場にたつべきだ」とのべました。