2003年9月30日(火)「しんぶん赤旗」
蘇耀国(そ・ようこく)七段(24)と藤井秀哉(ふじい・しゅうや)五段(23)による囲碁の第二十八期新人王戦(本紙主催)決勝三番勝負第一局が二十九日午前十時から東京・千代田区の日本棋院でおこなわれ、午後六時五十六分、先番の蘇七段が二六八手で三目半勝ちしました。
第二局は十月九日、大阪・関西棋院でおこなわれます。
対局は「幽玄の間」でおこなわれ、序盤は黒の蘇七段が左辺に模様を作り、白の藤井五段は固く打ち進めました。
立ち会いの小島高穂九段は「白はこんなゆっくりした手で間に合うのか」といい、藤井五段をよく知る関西棋院の村岡茂行九段は「いつもの藤井くんのゆっくりした打ちっぷりです」といつも通りを強調します。
上辺で白が48、50としたのが厚い手でしたが、黒は51とツメて「黒がいい感じ」と小島九段。白は左辺52の黒地削減、その後白62から反対側・右辺の黒模様に突入し、右辺の攻防に移りました。
黒71で初めて石が切り違い火花が散りました。
白は72ノゾキ以下上辺の白石と連絡、藤井五段が持ち前の力を発揮。一時は「優劣不明」と見られました。しかし中央の折衝で白三子を取り込んだ黒が勝ちました。
蘇七段の話 黒107とツイで良くなったと思いました。
藤井五段の話 完敗です。ずっと悪いと思っていました。
先番 蘇 耀国七段
藤井秀哉五段
268手完 黒3目半勝ち
白234(145)、黒239(213)、黒267(224)