2003年9月29日(月)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は二十八日、NHK「日曜討論」に出演し、臨時国会への対応など各党幹事長と討論しました。自民党総裁選や民主・自由両党合併後の初のテレビ論戦で、経済・外交問題で各党の態度が浮き彫りになりました。
小泉内閣がさらに推進すると明言する「構造改革」について自民党の安倍晋三幹事長は「失業者数も減っている。改革の成果が出てきている」などと主張しました。
市田氏は、この三年間で完全失業者が二十六万人増、雇用者数は三十三万人減となり、勤労者収入は六年間でみると七十万円も減っている事実を示し、「個人消費を拡大するところに力を注いでこなかった結果が、こういう形で現れている。都合のいい数字だけをとりあげてよくなったというのは、国民の実感や事実とまったく違う」と指摘しました。
民主党の岡田克也幹事長は「改革の意味では(小泉内閣は)遅過ぎる。きわめて不十分だ」と述べ、「構造改革」のスピードで競い合う立場を強調しました。
市田氏は、臨時国会で焦点となるテロ特措法(報復戦争支援法)の延長案の審議では、武力ではテロはなくならないこと、自衛艦がイラク戦争に協力・加担した脱法行為の検証が必要だと指摘し、延長案反対の立場を強調。“大量破壊兵器をなくすため”と始めたイラク戦争の無法性を指摘するとともに、米英占領軍のもとで泥沼化を強めるイラクに自衛隊派兵する政府・与党の姿勢を厳しく批判しました。
安倍氏は、イラク戦争の正当性について一言も説明できない一方で、「市田さんの話を聞いていると、まるでサダム・フセインが立派な人みたいに聞こえる」と中傷。市田氏は「私がいっていないことを公共の電波を通じていってはだめです」とたしなめ、「フセインが独裁者でひどい政治をやってきたことはわれわれも知っている。だからといって外国が介入して政権を転覆させる権利はない」と述べ、イラク戦争の無法性を再度強調。安倍氏に発言の取り消しを求めました。
公明党の冬柴鉄三幹事長は、大量破壊兵器について「今から探さなくてはいけない」と述べ、失笑を買いました。