2003年9月27日(土)「しんぶん赤旗」
【ニューヨーク25日遠藤誠二】アメリカの先制攻撃政策や単独行動主義にたいする批判が相次いで繰り広げられている国連総会一般討論の三日目の二十五日、マレーシアのマハティール首相が登壇し、ブッシュ政権の一国覇権主義の対外政策や経済政策を徹底的に批判する演説をおこないました。
マハティール首相は名指しは避けつつも明らかに米国を批判して次のようにのべました。
「今われわれが目にしているのは、欧州帝国主義の再来だ。われわれは、古い植民地主義はもはや形だけのものとなったと考えている。経済的締め付けと金融の無力化によって新興独立国が屈服させられ、他の形で再植民地化されることはあった。しかし、今日外国の軍隊による物理的占領という事態に現実に直面している」
同首相は国連について、「この機関は足元から崩壊しており、弱者や貧困を救済できなくなっている。無視され、脇におかれている」と指摘したうえで「国連の本来の姿と信頼を再建する必要がある」と強調しました。
演説後に国連本部内で記者会見したマハティール首相は、イラクへの同国軍の派遣の可能性について「国連による完全な委任がないかぎり派遣はしない」との考えを表明しました。
さらに非同盟諸国の役割について、「(冷戦という)二つのブロックの対立解消後、非同盟運動の任務は終わったとの考えは一部にあったが、貧困問題等、今日の国際状況を考えると、必要性は高くなっている」と言明しました。