日本共産党

2003年9月27日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での

志位委員長のあいさつ(大要)


 二十六日午前に開いた日本共産党国会議員団総会での志位和夫委員長のあいさつ(大要)は次の通りです。

 みなさんごくろうさまです。開会にあたって、ごあいさつを申し上げます。

十勝沖地震、被災者に心からお見舞い 支援活動に全力あげる

 今朝、十勝沖地震が発生し、多くの方々が被災し、負傷者が多数出ていると報じられています。私は、被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げるものです。わが党として児玉健次議員を本部長とする対策本部をすでに設置し、被災者の方々の支援のための活動をすでに開始しております。この活動に全力をあげるということをまず表明しておきたいと思います。

解散を堂々と受けてたち、総選挙での躍進を

 この国会は、十月解散、十一月総選挙という流れが強まり、きわめて緊迫した状況のもとで開かれることになりました。

 「解散・総選挙で国民の審判をあおげ」というのは、小泉政治の破たんが内政、外交ともに明りょうとなった昨年六月の四中総で提起して以来、私たちが一貫して主張してきたことであります。

 ですからわが党は、解散を堂々と受けてたち、総選挙での前進、躍進を必ず果たしたい。この決意をまず冒頭に固め合いたいと思います。(拍手)

熱い問題とむすびつけて、真の改革者の党の値打ちを浮き彫りに

 この国会にどういう構えでのぞむのか。

 解散・総選挙を目前にした国会ですから、国民の前で総選挙の争点を堂々と明らかにする論戦をすすめることが、何よりも肝心であります。

 わが党は八中総の決定で、きたるべき総選挙で、綱領改定案を土台に、大会決議案を指針に、二十一世紀の日本の進路を大きく問うたたかいをすすめようということを確認しました。その最初の論戦の舞台がこんどの国会です。

 この論戦をすすめるさいに、小泉政治にたいする批判とともに、わが党の改革の提案を太く明らかにしていくような論戦をすすめることが重要だと思います。

 すなわち、わが党は、経済の民主的改革では、大企業の応援から国民の暮らし応援への抜本的な改革を主張している党です。安保・外交では、異常な対米追従政治から脱却して、独立・平和の日本への改革、これも根本的な改革を提案している党です。そういう、小手先ではない、大本からの改革を、いまの日本の社会は切実に求めている。それにこたえうる路線と政策をもっている党です。そういう真の改革者の党の値打ちが、熱い問題と結びついて浮き彫りになるような論戦をおたがいにすすめていきたいと思います。

消費税増税、憲法9条改悪問題を大争点に

 そのなかで、消費税大増税に反対すること、憲法九条改悪を許さないこと、これらを総選挙の大争点として位置づけ、大いに論陣をはっていきたい。

 これは両方とも、国民の強い怒りと不安の焦点です。それだけに首相の側も、本音をごまかしながら事をすすめているのが特徴です。しかし、よく動きを見ていますと、危険なねらいはごまかすことはできない、覆い隠しようもない、これが明らかになります。

首相の本音――「三年間で大増税の環境つくる」

 たとえば消費税大増税の問題にかかわっては、首相が九月二十二日におこなった記者会見は、その本音が出た会見だと思いました。この会見で首相は、「三年間の任期中は増税をしない」ということを一方で言いつつ、こう言いました。「構造改革を徹底的にやったあと、もうこれ以上予算を削減するのはやめてくれというときに、消費税を上げるならわかります」

 「構造改革」──このなかには社会保障の切り捨てなどが入るわけですが、社会保障切り捨てを「徹底的」にやったあと、「もうこれ以上予算を削るのはやめてくれ」という悲鳴が国民のなかからあがって、そのときに「だったら増税をのめ」と、こう言っているわけです。これは、「三年間上げない」のではなくて、「三年間通じて増税の環境をつくる」ということを宣言するものにほかなりません。

 こういうこともふくめて、いますすんでいる消費税大増税の本質を暴き出し、増税を絶対に許さない論陣をこの国会ではっていきたい。そのために知恵と力をつくそうではありませんか。(拍手)

改憲のねらい──米国の介入戦争への歯止めない参戦

 憲法九条の問題について言いますと、いったい憲法のどこを変えようとしているのか、そして何をねらっているのか、これも一連の首相の発言を見ますとはっきりうかびあがってきます。

 これは、二年半前に小泉さんが首相に就任した記者会見以来言い続けてきたことですが、首相は、「集団的自衛権が行使できないなら、憲法を変えた方がよい」、このことを繰り返し言ってきました。これはどういうことか。

 これまで政府は、憲法をふみにじっていろいろな海外派兵法をつくってきました。周辺事態法をつくってきました。有事法制もつくりました。テロ特措法もつくった。イラク派兵法もつくった。しかしどの海外派兵法も、「集団的自衛権は行使できない」というのが建前でした。そうしますと、米軍が海外でおこなう武力行使にたいする日本の支援は「後方地域支援」しかできないというのが建前とされる。わが党は兵たん支援も立派な戦争活動だといって批判しましたが、ここにある制約、ある歯止めがあったことも事実であります。

 これを取り払って、米軍が地球的規模で行う介入と干渉の戦争に、歯止めなしに参戦する体制をつくるというところに、憲法九条改憲の最大の問題点があるわけです。この問題でも、本質を突く論戦によって、その危険なたくらみを明らかにしていきたい。

 消費税大増税を許さない、憲法九条の改悪を阻止する、この問題について、事の本質を徹底的に明らかにし、総選挙の熱い争点にしていく第一歩の論戦を、この国会ですすめたいと考えております。

テロ特措法延長、イラク派兵を許さない

 さて、この国会では、イラクへの派兵とテロ特措法の扱いも、重要な問題です。

 政府・与党の側は、テロ特措法については、そそくさと審議もしないで、延長を決める方針をすすめているようです。しかし、私は、この問題はそんないいかげんなぞんざいな扱いが許されない問題だと思います。

戦争とテロ、脱法行為の検証が必要

 アフガン報復戦争が始まって二年、インド洋に自衛隊の艦船を派遣してこの二年間の検証が、徹底的にはかられるべきだと思います。

 私は二つの角度からの検証が必要だと思う。一つは戦争でテロがなくせたかという問題です。いまのアフガンの治安状況は、非常に深刻です。七月二十三日に国連事務総長の報告が出ていますが、治安状況は悪化しているという報告です。悪化のなかで、たとえば、国連の支援組織や国際的な支援団体が撤退を余儀なくされる。そこまで深刻になっている。結局、戦争でテロはなくせない。ビンラディンも捕まらない。アルカイダのネットワークもなくならない。われわれが恐れていた通りの事態になっているということを、大本から検証する必要があります。

 さらにもう一つ。このアフガン戦争への支援という名目でつくられた法律が、イラク戦争のために使われていたという脱法行為の追及も必要であります。これは、アメリカ軍の海軍の機関紙が、事の詳細を全部明かしてしまいました。海上自衛隊の艦船が、横須賀に帰ってきたときに、「自衛隊の艦船がイラク戦争から帰還した」とはっきり書いてしまったわけですね。アフガンの戦争の応援に出た自衛隊が、まさに違法・脱法的なやり方で、イラクの戦争も支援した。こんなことが許されたら、およそ法治国家としての体を成さないわけですから、この糾明も必要です。

 こうした二つの角度から徹底的な検証、徹底的な審議をやって、この法律を廃止して、自衛隊をただちに撤退させる。このための論戦を衆参で大いに力をあわせてやっていきたいと思います。

イラク戦争の無法性、誰の目にも明らかに

 あわせて、イラクへの派兵をこのまますすめていいのかという大問題があります。イラク派兵法が通ったのは七月ですから、それから二カ月たちました。二カ月たちまして、イラク戦争の無法性が、いよいよむき出しに、誰の目にも明らかになってきたというのが、いまの特徴だと思います。

 大量破壊兵器の問題について、われわれも何度もとりあげてきましたが、アメリカの調査団がいって、近く中間報告を出すそうですが、「見つからなかった」というのが結論として出てくるようであります。もうこの問題は、歴史が決着をつけた。それから、ブッシュ大統領自身が、フセイン政権と9・11のテロは無関係だということを、言わざるをえなくなってきた。そして、現地はまさに泥沼化の状況です。米軍が憎悪の対象になり、毎日のように米兵が死ぬという状況が続いています。

 そのなかで、九月二十三日の国連総会で、アナン国連事務総長が、米英軍の先制攻撃の戦争に対して、国連憲章の原則に対する「根本的な挑戦」と厳しく批判したのは、重い意味をもっていると思います。国際社会の多数の声を代表した声だと思います。まさに、あの戦争は、国連憲章違反の無法な戦争だったと、このことを国連事務総長も言うようになってきた。

 私はことここにいたっても小泉総理は、あの戦争を支持してきたことを、正しいと固執し続けるのかということは、厳しくただされなければならないと思います。この立場に固執したまま、無法な侵略戦争のうえに、不法な占領統治をやっている米英軍の支援のために、自衛隊を出すということになれば、同じ泥沼のなかに日本も身を沈めることになる。このことを強く警告し、いまからでもイラク派兵はやめなさい、イラク派兵法廃止ということを強く求めてたたかいをすすめていきたいと思います。(拍手)

草の根からの取り組みと一体で、元気いっぱいの国会活動を

 いま、全党は八中総の決定にもとづいて、八中総から四十日間で、総選挙勝利に必要な草の根からの諸活動──ポスター、ビラ、ハンドマイク、対話と支持拡大、後援会の活動、そして党勢拡大、これをやりきってしまって、そして、いざ選挙本番中の本番になりましたら、前進・躍進のための活動に大きく乗り出していくという活動に全力をあげております。

 わが議員団も、その活動を全党の同志のみなさんといっしょにすすめながら、全党のそういう草の根からの取り組みを大きく激励するような、元気いっぱいの国会活動を展開し、そして総選挙では必ず前進・躍進を果たしたい。このことを最後に申しまして、私のあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(拍手)


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